宮崎城

宮崎城（みやざきじょう）

宮崎城は、現在の宮崎県宮崎市池内町に位置していたとされる山城です。1335年または1336年に、南朝方の武将であった図師六郎入道隋円・慈円親子によって築城されました。この城は、伊東氏が支配した四十八の城の一つであり、「池内城」とも呼ばれています。

歴史

宮崎城の歴史は、南朝と北朝の対立という時代背景の中で始まります。図師慈円が南朝に味方して挙兵した際、この城が築かれました。しかし、その後、北朝方の武将である土持宣栄によって攻め落とされ、一時的に土持氏の支配下に入ります。

1446年、伊東祐堯が宮崎城を攻略し、家臣の落合彦左衛門を城主としました。これにより宮崎城は伊東氏の重要な拠点の一つとなり、伊東四十八城に数えられるようになりました。

1536年、伊東氏の当主である伊東義祐（三位入道）が、佐土原城の火災により、居城を宮崎城に移しました。この時期、宮崎城は飫肥城攻略のための重要な戦略拠点として機能しました。

1577年には、島津氏の侵攻により伊東氏が一時的に衰退し、宮崎城も島津氏の支配下に入ります。しかし、1587年の豊臣秀吉による九州征伐で島津氏が敗退すると、宮崎城は延岡城主の高橋元種の所領となりました。

1600年の関ヶ原の戦いでは、高橋元種が豊臣方に与したため、徳川家康に味方した伊東氏の家老、稲津掃部助によって宮崎城は攻撃され、わずか一日で落城しました。稲津掃部助は宮崎城を接収し、入城しました。しかし、高橋元種は美濃国大垣城攻めの際に徳川方に寝返ったため、本領を安堵され、翌1601年に宮崎城は再び高橋氏の手に戻りました。

その後、1615年に一国一城令が発令されたことにより、宮崎城はその役割を終え、廃城となりました。

地理

宮崎城は、宮崎平野を一望できる南北に長く伸びた丘陵に築かれており、その南麓には大淀川が流れています。この地形は、天然の要害としての役割を果たしました。城は、自然の地形を巧みに利用して、本丸を中心に、野首城、服部城、彦右衛門城、百貫城など、独立した複数の曲輪から構成されています。また、船ヶ崎、万願寺、目引、野首の４つの登城口があったとされています。このような築城法は、同じ伊東氏が築いた都於郡城にも共通してみられます。

関連項目

* 日本の城一覧

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