南福井駅

南福井駅：北陸地方の貨物輸送を支える拠点

南福井駅は、福井県福井市月見一丁目に位置する、JR貨物ハピラインふくい線の貨物駅です。嶺北地方における鉄道貨物輸送の要として、長年にわたり重要な役割を担ってきました。

歴史：福井操車場から南福井駅へ

南福井駅の歴史は、1940年（昭和15年）12月1日の福井操車場開業に遡ります。その後、1948年（昭和23年）5月10日には専用線発着の車扱貨物の取扱を開始。1952年（昭和27年）12月1日には、福井操車場が廃止され、南福井駅として新たなスタートを切りました。この際に、福井駅の貨物取扱業務の一部が移管されています。

1960年（昭和35年）12月15日には越美北線の起点が南福井駅構内に設定されました。これは越前花堂駅の開業にともなう措置です。1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化により、JR貨物の駅となりました。

その後、1999年（平成11年）6月には近江長岡駅からのセメント輸送、2002年（平成14年）12月には本巣駅からのセメント輸送がそれぞれ廃止されています。近年では、2021年（令和3年）10月10日にディーゼル機関車による構内入換作業が終了し、翌11日からはE＆S方式による作業に移行しました。

駅構造：充実した貨物設備

南福井駅は、2面のコンテナホームと、荷役線・側線を合わせて11線を有する大規模な貨物駅です。すべての設備は本線の西側に集中しており、本線を挟んで上り・下りの貨物着発線が各3本ずつ設置されています。

駅構内にはJR貨物福井営業支店が併設されており、営業窓口としての機能も備えています。また、本線を挟んで東側には、JR西日本金沢車両区敦賀支所福井派出所があります。

取扱貨物：多様な貨物に対応

南福井駅では、12ft、20ft、30ftコンテナなど、さまざまなサイズのコンテナ貨物を扱っています。さらに、産業廃棄物や特別産業廃棄物の取扱許可も取得しており、幅広い貨物に対応できる体制を整えています。

かつては車扱貨物も取り扱っており、千鳥町駅や浮島町駅からエチレングリコールが到着していました。

駅周辺：工業地帯と住宅地が混在

南福井駅周辺には、太平洋セメント福井サービスステーションや住友大阪セメント南福井サービスステーションなど、セメント関連企業の専用線が接続しています。これらの企業から発送されたセメントは、かつて駅を経由して輸送されていました。

その他、福井文化服装学院、めいりんこども園、福井花堂郵便局などの施設や、福井鉄道福武線の赤十字前駅・花堂駅も近隣に位置しています。また、京福バスの停留所も近くにあります。交通アクセスは比較的良好です。

隣の駅：ハピラインふくい線

南福井駅の隣駅は、ハピラインふくい線の越前花堂駅と福井駅です。両駅とも旅客駅であり、2024年3月16日の北陸新幹線金沢～敦賀間開業に伴い、北陸本線の同区間がハピラインふくい線とIRいしかわ鉄道に経営移管されたことにより、旅客駅としての役割も変化しています。

まとめ：変遷と発展を続ける貨物駅

南福井駅は、長い歴史の中で、貨物輸送の拠点としてその役割を進化させてきました。今後も、地域経済の発展に貢献していくことが期待されます。セメント輸送の減少やディーゼル機関車からE＆S方式への移行など、時代の変化に対応しながら、貨物輸送の効率化と安全性の向上に努めています。

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