赤十字前駅

赤十字前駅

福井県福井市みのり一丁目に位置する、福井鉄道福武線にある赤十字前駅。本記事では、その歴史、構造、利用状況、周辺環境について詳細に解説します。

歴史

赤十字前駅は、1925年（大正14年）、福武電気鉄道の兵営駅（現在の神明駅）と福井市駅（現在の赤十字前駅付近）の間に路線が開通した際に、「福井市駅」として開業しました。その後、1933年（昭和8年）、約400メートル南へ移設され、「福井新駅」に改称。同時に、軌道線が福井駅前駅（現在の福井駅停留場）まで延伸され、旧駅付近に鉄軌分界点が設置されました。1945年（昭和20年）には福井鉄道の設立に伴い、同社の福武線の駅となりました。

1951年（昭和26年）には、大和紡績福井工場への専用線が福井新駅から延伸され、日本通運所属のディーゼル機関車が運行されましたが、1977年（昭和52年）に廃止。同年6月1日には、貨物取扱も廃止されました。そして、2010年（平成22年）3月25日、現在の「赤十字前駅」に改称されました。 長い歴史の中で、駅名はもちろん、駅舎の位置や役割も変化を遂げながら、今日まで地域に貢献し続けていると言えるでしょう。

駅構造

赤十字前駅は島式ホーム1面2線を有する駅で、朝7時から9時までは駅係員が配置されています。窓口は設置されていませんが、早朝と夜間を除き自動券売機が稼働しています。2階建ての駅舎は、待合室などの設備がすべて1階に集中しています。駅舎の東隣には4本の線路があり、その内側の2線がホームに接続、外側の2線は電留線として使用されています。駅舎とホームは構内遮断機付き通路で連絡しており、安全にホームにアクセスできます。 2001年には、トランジットモールの社会実験の一環として、駅舎と島式ホームの間に臨時乗車ホームが設置されたこともありました。

利用状況

越前市統計年鑑によると、赤十字前駅の1日平均乗車人員は年々変動しています。具体的な数値は年次データを参照する必要がありますが、周辺地域の人口や商業施設の状況、路線バスの運行状況など、様々な要因によって影響を受けていると考えられます。

駅周辺

赤十字前駅周辺は、福井市の古くからの住宅地が広がっています。東側にはハピラインふくい線とJR貨物南福井駅があり、地下道で接続されているため、市街地へのアクセスも容易です。かつては、駅構内から大和紡績福井工場への専用線が伸びていましたが、廃止後もその名残が、扇形をした駐車場として残っています。この独特の形状は、かつての専用線のカーブを物語る歴史的痕跡として、地域住民に親しまれています。

駅周辺には、福井赤十字病院、福井県立福井東特別支援学校月見分教室、福井県赤十字血液センター、福井市豊小学校、福井市木田小学校、福井市明倫中学校、福井みのり郵便局など、様々な施設があります。これらの施設は、地域住民の生活を支える重要な役割を担っており、駅と密接に連携した地域社会を形成しています。

また、京福バスの赤十字前停留所も近接しており、バス路線も利用可能です。ただし、福井鉄道の路線バスは2024年10月に福井市中心部への乗り入れ路線を廃止したため、当駅付近の運行はなくなっています。

隣の駅

参考文献

寺田裕一『日本のローカル私鉄2000』ネコ・パブリッシング、2000年
川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第5巻』講談社、2010年
『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄28』朝日新聞出版、2011年
清水武『RM LIBRARY 206 福井鉄道（上）』ネコ・パブリッシング、2016年

関連項目

日本の[[鉄道駅一覧]]
中村日赤駅
八事日赤駅
赤十字病院前停留場
日赤病院前停留場

外部リンク

電車赤十字前 - 福井鉄道

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