南部地域 (ブラジル)

南部地域（Região Sul do Brasil）

南部地域はブラジルの五つの地域の中で、南に位置し、サンタ・カタリーナ州、パラナ州、南大河州の三州から成り立っています。2016年の時点で、約2944万人の人口を抱え、全体の14.3%を占めています。この地域の最大都市はクリチバで、さまざまな文化と歴史が交差する街として知られています。

隣接地域

南部地域は、北東部に南東部地域、東から南東には大西洋に面し、南にはウルグアイ、南西にはコリエンテス州、西にはミシオネス州とパラグアイ、北西には中西部地域があります。これらの隣接地域との交流は、南部地域の文化的な発展に寄与しています。

主要都市

この地域には、人口が30万人以上の都市が11があります。具体的には、クリチバ（約189万人）、ポルト・アレグレ（約148万人）、ジョインヴィレ（55万人）、ロンドリーナ（約54万人）、カシアス・ド・スル（約46万人）、フロリアノーポリス（約46万人）、マリンガ（約40万人）、カノアス（約34万人）、ポンタ・グロッサ（約33万人）、ブルメナウ（約33万人）、ペロタス（約32万人）があります。このように多様な都市が点在し、経済活動が盛んです。

歴史

先コロンブス期

南部地域は元々、半遊牧民の先住民が狩猟と採集を行い生活していました。

ポルトガルの侵略

ポルトガル人とスペインのイエズス会が先住民にカトリックを広めるために訪れ、植民地化が始まりました。1748年から1756年にかけて、ポルトガル王は約6000人の移住者をブラジル南部に送りました。その結果、18世紀末にはポルトガル人がこの地域の人口の過半数を占めるようになりました。

ドイツ人の入植

1824年、最初のドイツ人入植者が南部地域に到着し、サン・レオポルドを設立しました。その後、ブラジル政府が移民を歓迎したことから、数万のドイツ人が農民として南大河州に住み着きました。サンタ・カタリーナ州にも移民が入ったが、公式には歓迎されず、非公式に入植することとなりました。これにより、地域における農業の発展が見られました。

ラガマフィン戦争

1835年には、共和党員による蜂起がサンタ・カタリーナ州と南大河州で起こり、これがラガマフィン戦争につながりました。この戦争は、南大河州の塩漬け牛肉の輸出に関連する競争が激化したことが原因であり、イタリアのジュゼッペ・ガリバルディも共和軍に支援を行いましたが、1845年には帝国軍に屈服しました。

イタリア人の入植

1875年からはイタリア人の移民が始まりました。彼らは主に小作農として南大河州に移り住み、多くがブドウの栽培を行いました。1898年には南大河州に約30万人、サンタ・カタリーナ州に5万人、パラナ州に3万人のイタリア系住民が存在していました。1914年までに約10万人が移住し、現在では地域の35.9%が彼らの子孫となっています。

人種構成と文化

南部地域は多様な人種構成を持っており、ドイツ系やイタリア系をはじめ、ウクライナ系やポーランド系のブラジル人も存在します。言語については、標準のポルトガル語が全域で使用されていますが、地域によってはドイツ語やイタリア語の方言も幅広く話されています。また、クリチバやマリンガなど、計画的に発展した都市も多く、都市化率は82%に達しています。

気候と地理

気候は亜熱帯から温帯にかけて多様で、年間平均気温は12℃から22℃の範囲です。山間部では雪が降る量もあり、地域的な気候の特徴が土地利用や農業方法に影響を与えています。

恐竜の発見

南大河州では、三畳紀の化石が多く発見されており、中にはエクサエレトドンやスタウリコサウルス等が含まれ、地域の自然史として注目されています。

このような魅力あふれる南部地域は、様々な移民と歴史的な出来事が織り成す文化的な宝物です。

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