即非如一

即非如一（そくひ にょいつ）

即非如一（1616年6月27日 - 1671年6月26日）は、江戸時代前期に中国の明から渡来した臨済宗黄檗派（黄檗宗）の僧です。俗姓は林氏、字は即非。福建省福州府福清県の出身です。

生涯

即非如一は、南宋の中書舎人、林希逸の末裔を名乗る家系に生まれました。父は林英、母は万氏。幼くして父を亡くし、18歳の時に龍山寺の西来の許で出家。費隠通容が黄檗山に晋住したため十戒を受けて沙弥となりました。1637年、中国福州黄檗山萬福寺の隠元隆琦に師事して菩薩戒を受戒しています。

逸話として、山火事の消火中に穴に落ち、救出された際に大悟したと伝えられています。1651年には隠元の法を継ぎ、雪峰の崇聖寺に移りました。この頃、化林性偀が弟子となっています。

1657年、隠元に招かれて来日し、長崎崇福寺に住して伽藍を整備し、その中興開山となりました。1663年には山城国宇治の萬福寺に移り、法兄の木庵性瑫とともに萬福寺首座となります。最初の黄檗三壇戒では教授阿闍黎の任を務めました。1664年、帰国の途中、豊前国小倉藩主小笠原忠真らに招かれ、1665年に福聚寺を創建し、その開山となりました。その後、崇福寺に隠居し、56歳でそこで没しました。

芸術家として

即非如一は能書家としても知られ、隠元隆琦、木庵性瑫とともに黄檗の三筆と称されています。詩をよくし、禅味のある観音・羅漢・蘭竹などを描きました。これは日本の文人画のさきがけとされています。

寿ぎの意を込めて松を図案化する作品としては、即非如一が寛文6年（1666年）に小笠原長真の二十歳の祝賀に送った「松下鶴鹿図」（福聚寺所蔵）が最も早い例とされています。

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