原惣兵衛

原惣兵衛

原惣兵衛（はら そうべえ）は、1891年1月20日に生まれ、1950年1月30日に没した、日本の政治家、弁護士です。衆議院議員を6期務め、姫路市長としても活躍しました。

生い立ちと初期の経歴

兵庫県赤穂郡上郡村（現在の兵庫県赤穂郡上郡町）で生まれました。父親の事業の失敗により、1902年に大阪へ移住。その後、1912年に陸軍に入隊し、輜重兵として兵役を務めました。除隊後、1919年に日本大学専門部法律科を卒業。1920年には弁護士試験に合格し、東京弁護士会に所属しました。

法曹界と留学

弁護士として活動する傍ら、1921年から1923年にかけて日本大学の海外留学生としてドイツへ留学。ベルリン大学とミュンヘン大学で法学・国家学を学びました。在独中は、在独日本人会の常任理事も務めました。関東大震災発生の報を受け、留学を切り上げて帰国。帰国後は弁護士業を再開するとともに、日本大学の幹事兼学生監としても活動しました。

政界での活躍

1924年、第15回衆議院議員総選挙に政友本党から出馬し、初当選。その後、鳩山一郎らと共に離党し、立憲政友会に入党しました。衆議院議員として6回の当選を重ね、その間、阿部内閣では鉄道政務次官を務めました。

姫路市長として

1943年10月、衆議院議員在職のまま姫路市長に就任しました。戦時下において、防空体制の強化に尽力。終戦後の1946年には、姫路市と周辺市町村との合併（ラモート合併）を主導しました。合併により姫路市長を退任した後も、市長臨時代理者としてしばらく職務を遂行しましたが、大政翼賛会の推薦議員であったため、公職追放となることが濃厚となり、追放令適用の審査結果を待たずに辞表を提出しました。

その後

公職追放後は、再び弁護士業に専念しました。また、趣味の芝居にも情熱を注ぎ、1949年4月に開催された姫路復興祭では、「娘道成寺」に女形として出演しました。東京毎日新聞社の副社長も務めています。

人物像

原惣兵衛は、「喧嘩惣兵衛」と呼ばれるほど、喧嘩っ早く激しい気性の持ち主として知られていました。しかし、刑法学者の柿沼末太は、原を「豪快な半面、実に感覚の鋭敏な人」「良く後輩の面倒を見ると同時に、不思議に他人を引き付ける魅力を持っていた人」と評しています。また、河本敏夫が姫路高等学校を放校処分になった際には、書生として住まわせ、日本大学への入学や学生生活の面倒を見るなど、面倒見の良い一面も持っていました。

参考文献

広幡明男『大正十三年五月当選 代議士詳覧』泰山堂、1924年。
『人事興信録 第十二版（下）』人事興信所、1939年。
『衆議院要覧（乙）昭和十七年十一月』衆議院事務局、1942年。
『新訂 政治家人名事典 明治～昭和』日外アソシエーツ、2003年。
* 姫路市史編集専門委員会編集「姫路市史」第6巻本編近現代3 平成28年3月30日発行

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