古市貞秀

古市貞秀（ふるいち さだひで）は、1976年2月21日、大阪府交野市に生まれました。実家はアマチュア相撲で高名な古市道場を経営しており、幼い頃から相撲に親しんで育ちました。この道場からは、アマチュア[[横綱]]の朝陽丸や、高校横綱の豪栄道など、数々の名力士を輩出しています。

交野四中、南京都高を経て近畿大学に進学した古市は、全国大会でも活躍を見せました。しかし、全日本相撲選手権ではベスト32が最高で、幕下付出の資格を得るには至りませんでした。それでも大相撲で力を試したいという思いから、父の知人である阿武松部屋に入門し、1998年3月場所に前相撲から初土俵を踏みました。

古市は、序ノ口、序二段と、同期の西野（後の大翔大）と優勝を争いながら、各段を1場所で通過。三段目では西野を抑えて優勝を果たし、こちらも1場所で通過しました。序ノ口から三段目まで、本割では20連勝を記録しましたが、幕下に昇進した1998年11月場所の3番相撲で、再び西野に連勝を阻まれました。幕下上位で苦戦を強いられた時期もありましたが、2000年11月場所には東幕下4枚目で5勝2敗と勝ち越し、翌2001年1月場所に十両に昇進し、小緑と改名しました。初土俵同期ながら幕下付出初土俵の田中（後の魁道）に先んじる形となりました。

小柄ながら筋肉質の古市は、足を大きく広げずに仕切り、立ち合いに相手の懐に飛び込んでからの頭捻りや腕捻りを得意としていました。体格差のある力士にも果敢に攻め込む相撲を見せていましたが、十両の土俵では体格差が影響し、3勝12敗と負け越し、1場所で幕下に陥落してしまいます。その後、四股名を本名の古市に戻した2001年9月場所は全休。翌11月場所は三段目まで番付を下げましたが、そこから徐々に番付を戻し、2002年11月場所に再び十両に復帰しました。しかし、4勝11敗と大きく負け越し、再び1場所で幕下に陥落してしまいました。その後も幕下上位や中位で十両復帰を目指して相撲を取り続けましたが、大相撲野球賭博問題に関与したとして、2010年7月場所を謹慎。その後、日本相撲協会に引退届を提出しましたが受理されず、2010年9月8日に解雇され、土俵を去ることになりました。解雇後、大阪府内で居酒屋を経営しています。

2010年6月には、野球賭博問題を巡る琴光喜恐喝事件で、元力士である兄が逮捕されました。さらに2011年1月26日には、大相撲野球賭博問題に関連し、賭博開帳図利罪で兄や母親らと共に警視庁に逮捕されています。同年7月13日、東京地裁にて母親と共に懲役10月・執行猶予3年（求刑・懲役10月）の執行猶予付き有罪判決を受けました。同年10月7日、恐喝罪及び恐喝未遂罪で懲役6年を求刑されていた兄に対し、「高位の力士で、醜聞が表に出ると困るという被害者の弱みにつけこんだもので卑劣かつ悪質」として懲役4年6月の実刑判決が下されました。

2012年4月23日、兄に対する控訴審判決で、東京高裁は東京地裁での判決を支持し、若原正樹裁判長は「野球賭博が暴露されることを恐れて金を払った、との元琴光喜の証言に特段疑うべき点はない」と指摘。一審判決に誤りはないと判断しました。同年9月5日、地裁、高裁と同じ判決を支持する形で刑が確定。一、二審判決によると、兄は2010年1月、「警察や親方に知れたら大変なことになるぞ」などと床山に電話して元琴光喜から350万円を脅し取ったほか、8000万円も要求しましたが未遂に終わりました。胴元との仲介役だった元力士からも300万円を脅し取っています。

後に兄は恐喝事件は冤罪であると主張し、古市道場の門下生であった豪栄道が自身の父の葬儀に出席しなかったことなどをインタビューで明かしました。

古市貞秀の生涯成績は277勝243敗14休、勝率.533。十両成績は7勝23敗、勝率.233。現役在位は75場所、十両在位は2場所です。三段目優勝を1回（1998年9月場所）果たしています。

改名歴は以下の通りです。

古市 貞秀（ふるいち さだひで）1998年3月場所-2000年11月場所
小緑 貞秀（こみどり さだひで）2001年1月場所-2001年7月場所
* 古市 貞秀（ふるいち さだひで）2001年9月場所-2010年9月場所

もう一度検索