古湯映画祭

古湯映画祭とは

古湯映画祭は、佐賀県佐賀市富士地区で開催される地域密着型の映画祭です。1984年、自主上映団体『シネアスト佐賀』の呼びかけにより、「温泉に入って映画を見られたら」という発想から始まりました。映画館のない町で映画祭を開催するというユニークな試みは、多くの人々に支持され、毎年、多彩なプログラムと豪華なゲストを迎えて開催されてきました。

映画祭の歴史

初回の映画祭は7月に開催されましたが、その後は9月開催が定例となっています。2003年には20周年を迎え、『第27回山路ふみ子映画賞・特別賞』と『第13回日本映画批評家大賞・特別賞』を受賞しました。これは、地域映画祭として非常に稀な快挙であり、その活動が高く評価された証と言えるでしょう。

過去には、台風接近や新型コロナウイルス感染症の影響で開催中止を余儀なくされたこともありました。特に、2020年は新型コロナウイルスの影響で、映画監督や俳優などの招待ゲストの調整が困難となり、全国的な感染状況も不安定であったため、開催が見送られました。しかし、映画祭は困難を乗り越え、地域文化の振興に貢献する活動を続けています。

過去の映画祭

古湯映画祭では、毎年、様々なテーマで特集上映が組まれています。以下に、過去の映画祭の特集テーマと上映作品、ゲストの一部をまとめました。

第1回（1984年）
上映作品：『ILL HEALTH』『レミング』など、多数の作品
ゲスト：石井聰互（映画監督）、小林紘（製作）
第2回（1985年）
特集：黒澤明
上映作品：『風とライオン』『赤ひげ』など、黒澤明監督作品を含む多数の作品
ゲスト：増田久雄（製作）、高樹沙耶（俳優）、井出雅人（脚本家）
第3回（1986年）
特集：黒澤明
上映作品：『暗くなるまで待てない』『天国と地獄』など、黒澤明監督作品を含む多数の作品
ゲスト：牛山真一（監督）、小林紘（製作）、石井聰互（監督）
第4回（1987年）
特集：ミステリー＆ハードボイルド
上映作品：『マルタの鷹』『羅生門』など、ミステリーやハードボイルド作品
ゲスト：鶴見辰吾（俳優・製作）、梶間俊一（監督）、北方謙三（作家）
第5回（1988年）
特集：アクション時代劇のヒーローたち
上映作品：『柳生武芸帳』『大菩薩峠』など、アクション時代劇
ゲスト：松隆志（監督）、長崎俊一（監督）、千葉真一（俳優）、菅原文太（俳優）
第6回（1989年）
特集：映画風景論
上映作品：『津軽』『となりのトトロ』など、風景描写が印象的な作品
ゲスト：大林宣彦（監督）、長部日出男（監督・作家）、尾美としのり（俳優）
第7回（1990年）
特集：喜劇・日本人の心を求めて
上映作品：『天空の城ラピュタ』『男はつらいよ 奮闘篇』など、喜劇作品
ゲスト：山田洋次（監督）、原田芳雄（俳優）、石橋蓮司（俳優）
第8回（1991年）
特集：空想科学への冒険★東宝特撮映画特集
上映作品：『ゴジラ』『マタンゴ』など、東宝特撮映画
ゲスト：本多猪四郎（監督）、川北紘一（特技監督）、土屋嘉男（俳優）、ゴジラ（着ぐるみ）
第9回（1992年）
特集：権力へのあくなき挑戦★熊井啓監督特集
上映作品：『海と毒薬』『帝銀事件・死刑囚』など、熊井啓監督作品
ゲスト：熊井啓（監督）、奥田瑛二（俳優）
第10回（1993年）
特集：10周年記念★映画でふり返るわが昭和史
上映作品：『酔いどれ天使』『七人の侍』など、昭和史を彩る名作
ゲスト：石井輝男（監督）、大林宣彦（監督）、黒木和男（監督）
第11回（1994年）
特集：青春映画特集★春機発動期
上映作品：『大阪の章二クン』『遠雷』など青春映画
ゲスト：鈴木清順（監督）、永島敏行（俳優）
第12回（1995年）
特集：戦後50年特集★平和の実感
上映作品：『ゆきゆきて神軍』『ひめゆりの塔』など、戦後をテーマにした作品
ゲスト：香川京子（俳優）、原一男（監督）
第13回（1996年）
特集：日本的アクション映画の源流
上映作品：『県警対組織暴力』『仁義なき戦い 頂上作戦』など、アクション映画の原点となる作品
ゲスト：深作欣二（監督）
第14回（1997年）
特集：大人になるためのサマータイム
上映作品：『ガメラ 大怪獣空中決戦』『家族ゲーム』など、成長をテーマにした作品
ゲスト：森田芳光（監督）、金子修介（監督）
第15回（1998年）
特集：日本映画の新たなる波動
上映作品：『アラジン 盗賊王の伝説』『どついたるねん』など、話題の作品
ゲスト：滝田洋二郎（監督）、阪本順治（監督）
第16回（1999年）
特集：篠田正浩の日本探検
上映作品：『心中天網島』『卑弥呼』など、篠田正浩監督作品
ゲスト：篠田正浩（監督）
第17回（2000年）
特集：２１世紀の映像旗手たち
上映作品：『東京兄妹』『地雷を踏んだらサヨウナラ』など、次世代の映画を担う監督の作品
ゲスト：市川準（監督）、黒木和雄（監督）、原田芳雄（俳優）、香川照之（俳優）
第18回（2001年）
特集：新藤兼人の遺言状
上映作品：『裸の島』『午後の遺言状』など、新藤兼人監督作品
ゲスト：新藤兼人（監督）、新藤次郎（制作）
第19回（2002年）
特集：映像が織りなす・・・人間模様
上映作品：『駅 STATION』『八甲田山』など、人間ドラマを描いた作品
ゲスト：降旗康男（監督・脚本）、木村大作（撮影）
第20回（2003年）
特集：20年目の古湯映画祭
上映作品：『男はつらいよ ぼくの伯父さん』『たそがれ清兵衛』など、20年を記念する作品
ゲスト：大林宣彦（監督）、篠田正浩（監督）、黒木和雄（監督）

...（第21回以降も同様に、多岐にわたる特集とゲストを迎えて開催）

まとめ

古湯映画祭は、地域に根ざした手作りの映画祭として、30年以上にわたり、多くの映画ファンに愛されてきました。温泉地での映画鑑賞というユニークな体験に加え、多彩な上映作品、豪華なゲスト、そして、地元の人々の温かいおもてなしが魅力です。今後も、この映画祭が地域文化の発展に貢献していくことが期待されます。

関連情報

古湯温泉
映画祭の開催地である古湯温泉も、映画祭とともに地域を盛り上げています。映画祭と温泉をセットで楽しむのもおすすめです。

外部リンク
古湯映画祭公式サイト （※実際の公式サイトへのリンクに置き換えてください）
古湯映画祭公式X（旧Twitter)（※実際の公式アカウントへのリンクに置き換えてください）
古湯映画祭公式Facebook（※実際の公式アカウントへのリンクに置き換えてください）

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