吉井信謹

松平信謹（吉井信謹）について

松平信謹（まつだいら のぶのり / よしい のぶのり）は、江戸時代末期に上野国吉井藩の第10代（最後）の藩主を務めた人物です。鷹司松平家の12代当主でもあります。

生涯

嘉永6年（1853年）1月20日、出羽国米沢藩主・上杉斉憲の五男として生まれました。万延元年（1860年）5月20日、上野国吉井藩主・松平信発の養子となり、元治2年（1865年）3月26日に信発の隠居に伴い家督を相続しました。同年3月28日には、将軍・徳川家茂に拝謁しています。

慶応4年（1868年）2月22日、松平姓から吉井姓に改めましたが、その日に領内で大規模な世直し一揆が発生しました。翌日には一揆勢に吉井宿が打ち壊され、吉井陣屋が包囲される寸前まで追い詰められますが、一揆勢の要求を全て受け入れることで事態を収拾しました。

同年2月には重臣を上洛させ、新政府に恭順の姿勢を示しました。同年3月には、新政府軍に兵糧などを献上しています。明治2年（1869年）6月24日、吉井藩知事に任命されましたが、同年12月26日に藩知事を辞職し、吉井藩は岩鼻県に合併され、廃藩となりました。明治12年（1879年）8月4日、隠居し、満3歳になる長男の信宝に家督を譲りました。その後、吉井家を離籍し、実家の上杉家に戻り、同年9月2日に上杉本家から分家して平民となりました。

明治41年（1908年）11月22日に56歳で亡くなりました。墓所は米沢の林泉寺上杉家奥方墓所奥の区切られた一画にあります。戒名は誠岳院殿正堂玄覚居士。次男の信照は吉井分家を立て、上杉家（分家）は三男の謹一が継ぎました。

遺品

次男・吉井信照（陸軍士官・企業家・青年学校校長）が当時の最新式のカメラを持っており、信謹の生前の写真が吉井郷土資料館に残されています。

系譜

父母
実父：上杉斉憲
実母：郁姫 - 松平頼恕の娘
養父：松平信発
正室
千枝子 - 細川行芬の八女
子女
吉井信宝（長男）
吉井信照（次男）
上杉謹一（三男）

血筋

吉良義央の男系子孫であり（義央の曾孫）、吉井藩1万石には三河吉良氏の旧領の一部が含まれています（緑野郡のうち白石村。ただし一村一円ではなく、他に佐野藩領など）。

吉良義央－上杉綱憲－吉憲－重定－勝煕－斉定－斉憲－吉井信謹

母方からは鷹司家（鷹司松平家の祖・松平信平の父である鷹司信房）の血を引いています。

鷹司信房－信尚－教平－房輔－一条兼香－道香－八代君－徳川治保－治紀－松平頼恕－郁姫－吉井信謹

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