名山町

鹿児島市名山町について

鹿児島市名山町は、鹿児島市の中部に位置し、城山の麓に広がる町です。郵便番号は892-0821で、2020年10月1日現在の人口は296人、世帯数は198世帯となっています。

歴史

町の成立

名山町は、1965年（昭和40年）に住居表示の実施に伴い、旧来の築町（つきまち）の全域、六日町（むいかまち）と易居町（やすいまち）の一部を統合して誕生しました。この際、六日町の一部は山下町に編入され、築町と六日町は廃止されています。

江戸時代

名山町のルーツとなる六日町と築町は、江戸時代には鹿児島城下の町人街として栄えました。六日町では毎月6のつく日に市が立ち、築町は海岸の埋め立てによってできた町で、築地町とも呼ばれていました。

明治時代

明治時代に入ると、築町には郡役所や銀行、商工会議所などが置かれました。1879年（明治12年）には、鹿児島郡など5郡を管轄する郡役所が設置されました。その後、郡役所は移転しましたが、築町は鹿児島港の玄関口として賑わいました。六日町には郵便局や警察屯所が設けられ、大正時代以降は商業地域として発展しました。

三島村役場の設置

特筆すべきは、名山町内に三島村役場が設置されていることです。これは、第二次世界大戦後、トカラ列島の一部がアメリカの統治下になった際、日本に残った上三島の区域を管轄するために、十島村仮役場が築町に移転したことに由来します。その後、上三島の区域が三島村として独立した際も、役場は名山町に置かれたままとなっています。この経緯から、名山町は鹿児島県内で唯一、他の自治体の役場が町内にあるという特殊な状況となっています。

町名の由来

町名は、かつてこの地にあった名山堀に由来します。名山堀は、桜島が映る美しい堀として知られていましたが、現在は埋め立てられ、みなと大通りなどに転用されています。

地理

名山町は、鹿児島市の中央部、城山の麓に位置しています。北に易居町、南に泉町、金生町、西に山下町、東に本港新町が隣接しています。町内には、小規模な住宅や店舗併用住宅、商業施設が混在しています。国道58号線（朝日通り）が東西に、鹿児島県道204号線が南北に走っています。

産業

名山町には、レトロな飲み屋街が残っており、地元メディアで「赤ちょうちん」の風景が紹介されることもあります。また、鹿児島酒造が販売する焼酎「名山堀」は、町内会などと協力して開発された地域限定商品です。

施設

公共施設

• - 三島村役場
• - ソフトプラザかごしま
• - 港公園

教育施設

• - 天陽会保育園

金融機関

• - 鹿児島信用金庫本店
• - 日本政策金融公庫鹿児島支店
• - SMBC日興証券鹿児島支店

その他

• - 鹿児島県地域振興公社
• - 鹿児島県産業会館
• - 鹿児島県商工会連合会
• - 鹿児島県中小企業団体中央会
• - 日本貿易振興機構鹿児島貿易情報センター
• - 鹿児島県経営者協会
• - 鹿児島経済同友会
• - 公益財団法人かごしま産業支援センター
• - 公益社団法人鹿児島県工業倶楽部
• - 鹿児島県商店街振興組合連合会
• - 鹿児島県信用保証協会
• - 西日本新聞鹿児島総局
• - 九州電力名山変電所

交通

道路

• - 国道58号
• - 鹿児島県道204号鹿児島停車場線

鉄道

• - 鹿児島市電：朝日通電停

その他

名山町は、歴史的な背景を持ちながらも、現代的な要素も併せ持つ独特の町です。三島村役場があるという特異な状況や、レトロな飲み屋街など、他の地域にはない魅力があります。

参考文献

• - 鹿児島市史編さん委員会『鹿児島市史Ⅰ』 1巻、鹿児島市、1969年。
• - 鹿児島市史編さん委員会『鹿児島市史Ⅱ』 2巻、鹿児島市、1970年。
• - 南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』 5巻、鹿児島市、2015年。
• - 三島村誌編纂委員会『三島村誌』三島村、1990年。
• - 「角川日本地名大辞典」編纂委員会「角川日本地名大辞典 ４６ 鹿児島県」『角川日本地名大辞典』第46巻、角川書店、1983年。
• - 芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』平凡社、1998年。
• - 鹿児島県総務部参事室『鹿児島県市町村変遷史』鹿児島県、1967年。
• - 山下悟「373ワイド 鹿児島市の消えた13町を訪ねなさい 地域の歴史今も刻む」『南日本新聞』2011年9月9日。
• - 深野修司、山城裕司、下野敏行「373ワイド 名山町新聞」『南日本新聞』2012年3月27日。

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