后甲線

台湾糖業鉄道后甲線（こうこうせん）

后甲線、または大甲線は、かつて台湾の台中市に存在した台湾糖業公司（台糖）が運営していた軽便鉄道です。この路線は、后里区、外埔区、大甲区、大安区を結び、月眉糖廠を中心に地域の発展に貢献しました。

路線概要

運営会社: 台湾糖業股份有限公司
路線距離: 26.6km（資料によっては27.7km）
軌間: 762mm
駅数: 24駅（起終点駅を含む）
複線区間: なし（全線単線）
電化区間: なし（全線非電化）
支線: 2本

歴史

1912年、北港製糖（後の東洋製糖、さらに大日本製糖の前身）がサトウキビ輸送と旅客輸送のために開業しました。路線は、大甲駅や后里駅、大安港を結ぶ重要な役割を担っていました。特に、大安渓の河岸段丘を避けるためにΩ型の線形が採用された区間が特徴的です。西部幹線（海線と山線）を結ぶ連絡線としての役割に加え、夏には大安海水浴場への観光客輸送、冬にはサトウキビ輸送で賑わいました。

大日本製糖が経営を引き継いだ後、旅客輸送は自動車との競合により収入が激減しました。しかし、専用線での輸送が活発であったため、1932年頃には蒸気機関車4両、客車15両、貨車252両、ガソリンカー2両が配置されるなど、一定の輸送力を維持していました。当時は、大甲から后里方面へ毎日4本、大安港へ毎日7本の旅客列車が運行されていました。

戦後、路線は台糖后甲線となり、一時は毎日8本の列車が運行されるほど旅客輸送も盛んでした。しかし、モータリゼーションの発達により徐々に衰退し、1970年に全線が廃止されました。1975年には大部分の施設が撤去されたため、現在ではほとんどその痕跡を見ることはできません。

現在、この路線の代替として、台中市市区公車の212路、213路、214路などのバス路線（豊原客運運行）が運行されています。また、21世紀に入り、台湾鉄路管理局の路線網で市内環状線（大台中山手線）の一部として、かつての路線に並行する大甲と后里を結ぶ甲后線の建設構想が台中市政府によって提唱され、中央政府の前瞻基礎建設計画に盛り込まれています。

沿革

1910年：鈴木商店により北港製糖月眉製糖所が開設。
1912年7月1日：北港製糖大甲線が開業。
1915年：東洋製糖が北港製糖を合併し、東洋製糖大甲線となる。
1927年4月11日：口庄駅が開業。
1927年：東洋製糖が破綻し、大日本製糖が経営を引き継ぐ。
1929年4月1日：大安港まで路線が延伸。
1933年3月16日：南門から中庄支線（3.4km）が開業。
1945年：国民政府が接収し、台湾糖業公司が全土の路線を一括運営することになり、台湾糖業鉄道后甲線となる。
1965年：奉化、松子脚、大安港の3駅が廃止。
1970年11月：全線が廃止。

駅一覧

以下は、廃止当時の駅一覧です。

中庄支線

東中庄支線

参考文献

舊線跡踏查系列－ 月眉糖廠鐵道簡介 海洋與鐵道的記憶（文：鄧志忠、鐵道情報） （繁体字中国語）
教育部 103年度中小學科學教育計畫專案 期末報告大綱 台中市立大甲高級中等学校 （繁体字中国語）

関連項目

大日本製糖
甲后線

外部リンク

東洋製糖甲后線 台中愛吃糖Facebook （繁体字中国語）

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