和田家住宅
和田家住宅：白川郷の歴史を伝える合掌造りの家屋
和田家住宅は、岐阜県大野郡白川村の萩町地区、通称「白川郷」に位置する、合掌造りの家屋です。この家は、その歴史的・文化的価値から、重要文化財として指定されています。
和田家の歴史
和田家は、1573年（天正元年）から続く家柄で、代々「弥右衛門」を名乗る当主が継承してきました。江戸時代には、牛首口留番所の役人や庄屋を務め、苗字帯刀を許されるほどの家柄でした。また、火薬の原料となる塩硝の取引によって繁栄した歴史も持っています。
和田家住宅の建築年代については諸説ありますが、文化庁の記録によれば、江戸時代末期に建てられたとされています。往時には20人以上の人々が生活していたとされ、山がちで土地が限られたこの地域において、大家族制度が一般的であったことがうかがえます。このような背景から、家屋の規模も自然と大型化していきました。
1995年（平成7年）12月26日には、主屋、土蔵、便所の3棟と土地が一体となって重要文化財に指定されました。現在も住居として使用されながら、内部を見学することが可能です。
地理
白川郷は、「白川郷・五箇山の合掌造り集落」としてユネスコの世界遺産に登録されています。和田家住宅は、その白川郷・荻町地区の北端に位置しています。荻町城跡展望台から見下ろすと、和田家住宅が一番手前に見える絶好のロケーションにあります。
建築概要
主屋は西向きに建てられており、その右手前に便所、後方（東側）には土蔵が配置されています。
主屋
合掌造りの主屋は、切妻造茅葺の屋根を持ち、桁行22.3m、梁間12.8mの3階建てです。2階より上の階層は、養蚕を行うために使用されていました。1階の囲炉裏からの暖を取り、風通しを良くするため、2階以上の床板には隙間が設けられています。また、囲炉裏の熱や煙は、家屋の防虫・防湿効果を高める役割も果たしていました。主屋は妻側を南北に向けることで、風通しを最大限に活かす工夫が凝らされています。
土蔵
土蔵は、切妻造桟瓦葺の屋根を持ち、桁行6.1m、梁間5.3mの2階建てです。
便所
便所も切妻造茅葺の屋根を持ち、桁行7.3m、梁間4.3mの規模です。
土地
これらの建物と共に、3,583.32平方メートルの土地（水路、石垣、池を含む）が重要文化財として指定されています。宅地内には融雪用の池や石組み水路が設けられ、周囲には防風林が配置されています。和田家住宅は、主屋だけでなく、付属建物や水路、石垣などを含めた屋敷全体の構成が良好に保存されている点が、文化財として高く評価されています。
アクセス
公開時間・料金
- - 公開時間：9:00 - 17:00
- - 休館日：不定
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和田家住宅は、白川郷の歴史と文化を伝える貴重な遺産です。その美しい景観と歴史的価値を、ぜひ実際に訪れて体験してみてください。
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