喜入季久

喜入季久（きいれ すえひさ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将であり、島津氏の家臣として活躍しました。島津氏庶流の喜入氏の5代目当主であり、その生涯は武勇と教養に彩られています。

生い立ちと改名
天文元年（1532年）、島津忠俊の子として誕生しました。初めは島津忠賢と名乗っていましたが、後に主君である島津貴久の命により、所領である薩摩国喜入の地名にちなんで喜入季久と改名しました。

武将としての活躍
喜入季久は、島津貴久の元で数々の戦で武功を上げました。帖佐合戦や横川合戦など、主要な戦においてその軍事的な才能を発揮し、島津氏の勢力拡大に貢献しました。特に、その勇猛果敢な戦いぶりは、敵味方問わず恐れられたと伝えられています。

外交官としての活躍
永禄12年（1569年）には、島津貴久の後を継いだ義久の家老となり、その外交手腕を発揮しました。元亀元年（1570年）には、義久の使者として室町幕府15代将軍・足利義昭に謁見し、交渉役として重要な役割を果たしました。この頃、菱刈郡花北村を領地として与えられています。

根占城の守将として
天正2年（1574年）、前年に島津氏に属した禰寝重長の根占城が、肝付氏、伊地知氏、伊東氏の連合軍に攻められた際、喜入季久はその守将として城を守り抜きました。弟の忠道、久続を失うという悲劇に見舞われながらも、その勇猛さと指揮能力で敵軍を退けました。この戦での勝利は、喜入季久の武将としての名をさらに高めることとなりました。

晩年と死
その後も、高原城合戦や水俣攻め、岩屋城攻めなど、数々の戦に従軍し、その功績により鹿籠（現在の枕崎市）の地を与えられ、桜之城（後世山之城とも呼ばれた）を居城としました。天正16年（1588年）、喜入季久は57歳でこの世を去りました。その生涯は、武将としての勇猛さと、教養人としての知性を兼ね備えた、稀有な人物として後世に語り継がれています。

喜入季久は、戦国時代という動乱の時代において、島津氏の家臣としてその才覚を発揮し、武将としてだけでなく、外交官としても重要な役割を果たしました。その生涯は、多くの人々に影響を与え、今もなお、その功績は語り継がれています。

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