嘉興市(かこうし)
嘉興市は、中国
浙江[[省]]の北東部に位置する
地級市であり、
上海市と
杭州市の中間に位置しています。長江デルタ都市群の重要な都市の一つであり、上海大都市圏にも含まれています。
地理
嘉興市は、東は
上海市、北は
江蘇[[省]]蘇州市、西は
浙江[[省]]
杭州市と湖州市、南は
浙江[[省]]
紹興市と
寧波市に隣接しています。市域の南は銭塘江と
杭州湾に面しており、全域が杭嘉湖平原に属しているため、平坦な地形が特徴です。
歴史
嘉興の歴史は古く、7000年前の
新石器時代には馬家浜文化が栄えました。
春秋時代には「長水」と呼ばれ、その後「欈李」と名を変えました。
紀元前496年には、呉王
闔閭が
越の武将の矢によって負傷し、陣没した地でもあります。戦国時代には
越が楚に滅ぼされ、楚の領土となりました。
秦代には会稽郡に属し、
漢代には塩の生産地として重要な役割を果たしました。三国時代には呉の
孫権が、この地に野稲が自生したことを瑞祥として捉え、由拳県を禾興と改名し、後に嘉興と改めました。これが嘉興という名の由来です。
南北朝時代には開発が進み、
隋代には
京杭大運河が開通し、
杭州から嘉興を経て潤州へと繋がりました。
唐代には華亭県の一部となり、
五代十国時代には呉
越国が嘉興に州府を設置しました。
後晋時代には秀州と改名され、
北宋時代には嘉禾郡とされました。
南宋時代には嘉興府に昇格し、元代には外国貿易が盛んになり、
経済が発展しました。
明代には嘉興府は7県を管轄し、「1府7県」と呼ばれる体制が確立しました。
清代には税制改革や海塘建設が進み、嘉興の社会
経済は発展を続けました。しかし、
太平天国の乱では太平軍に占領されるなどの混乱もありました。
中華民国時代には嘉興県となり、
1921年には
中国共産党の第一回全国代表大会が嘉興の南湖で閉幕し、
中国共産党発祥の地となりました。
日中戦争中には日本軍に占領されました。
国共内戦後、嘉興県と嘉興市が置かれ、
1983年に
地級市としての嘉興市が誕生しました。1980年代には
経済開放区に指定され、
経済発展が進みました。
2017年には、
浙江[[省]]の上海モデル区設立が承認され、さらなる発展が期待されています。
行政区画
嘉興市は、2つの
市轄区、3つの県級市、2つの県を管轄しています。
南湖区
秀洲区
県級市
海寧市
平湖市
桐郷市
県
嘉善県
海塩県
年表
以下に、嘉興市の歴史を年表形式でまとめます。
1949年10月1日:
中華人民共和国浙江[[省]]嘉興専区が成立。
1949年12月20日:嘉興市が発足。
1950年5月15日:嘉興市が嘉興県に編入。
1950年11月25日:嘉興市が再発足。
1953年5月21日:嘉興市が
省直轄県級行政区となる。
1958年2月21日:嘉興市を編入。
1958年11月21日:海塩県が海寧県と平湖県に分割編入。嘉善県が嘉興県に、崇徳県が桐郷県に編入。
1961年7月9日:嘉善県が再発足。
1961年12月15日:海塩県が再発足。
1962年12月22日:嘉興市が嘉興県に編入。
1978年9月16日:嘉興専区が嘉興地区に改称。
1979年9月10日:嘉興市が再発足。
1981年1月14日:嘉興県が嘉興市に編入。
1983年7月27日:嘉興市が地級市に昇格。
1986年11月22日:海寧県が市制施行し、海寧市となる。
1991年6月15日:平湖県が市制施行し、平湖市となる。
1993年3月26日:桐郷県が市制施行し、桐郷市となる。
2022年、嘉興市のGDPは6739億4500万
人民元に達し、前年比2.5%増となりました。第一次産業、第二次産業、第三次産業ともに成長を続けています。一人当たりGDPは121,794
人民元となっています。
交通
嘉興市には、嘉興
空港があり、鉄道網も発達しています。滬杭線、滬昆高速鉄道、通蘇嘉甬鉄道、
杭州空港鉄道などが利用可能です。嘉興駅、嘉興南駅などの主要な駅があり、市内には
路面電車や地下鉄も整備されています。道路網も充実しており、高速道路も複数整備されています。また、
京杭大運河などの航路も利用されています。海上大橋としては、
杭州湾海上大橋があります。
姉妹都市
嘉興市は、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。
富士市(日本、静岡県):1989年1月13日提携
江陵市(
大韓民国):
1999年6月11日提携
主な出身者
嘉興市は、多くの著名な人物を輩出してきました。
雲門文偃(禅師)
趙汝愚(
南宋の名臣)
趙昚(南宋の第2代皇帝)
呉鎮(画家)
沈惟敬(明の使臣)
朱彝尊(作詞家)
呂留良(学者)
許景澄(
清の政治家)
徐用儀(清の名臣)
陸費逵(教育者)
太虚(高僧)
李叔同(音楽家)
豊子愷(画家)
茅盾(作家)
徐志摩(詩人)
金庸(武術小説家)
余華(作家)
南派三叔(ネット小説家)
まとめ
嘉興市は、歴史と文化が深く根付いた都市であり、
経済的な発展も遂げています。交通の便も良く、多くの観光客やビジネスマンが訪れる魅力的な都市です。