滬杭線

滬杭線：上海と杭州を結ぶ歴史ある鉄道路線

滬杭線は、中国の上海市から浙江省嘉興市を経由して、同省の杭州市に至る全長202kmの鉄道路線です。この路線は、中国東部における重要な交通幹線であり、上海では滬寧線や京滬線と、杭州では浙贛線や宣杭線と接続しています。また、滬杭線外環線の一部は、上海虹橋駅に接続しており、虹封線や虹七線と呼ばれています。

概要

2006年に上海南駅が供用開始されたことに伴い、滬杭線の始発列車の多くは上海駅から上海南駅へと移行しました。同時期には、浙贛線の電化および高速化工事も行われ、その影響で2006年7月5日から12月31日の間、滬杭線の杭州方面の起点は、一時的に杭州駅から筧橋駅に変更されました。2006年12月31日に工事が完了すると、滬杭線、浙贛線、湘黔線、貴昆線は統合され、上海から昆明に至る新たな路線「滬昆線」として再編されました。これにより、中国中南部地方を横断する重要な交通幹線が誕生しました。

2010年10月26日には、本線と並行する形で高速鉄道「滬杭旅客専用線」が開通し、高速鉄道網が強化されました。

かつて、上海駅と現在の上海南駅（当時の新竜華駅）の間には、内環線（1965年に滬新線に改名）が運行していました。しかし、上海市の急速な発展に伴い、この内環線が交通の障害となったため、迂回する外環線が1987年に開通しました。その後、1997年8月に内環線は廃止・撤去され、その跡地は上海軌道交通3号線として再利用されました。

なお、キロ程は、上海南駅を起点とした場合、上海駅を起点とする場合に比べて約30km短くなります。例えば、松江駅までの距離は、上海駅起点では26.4kmとなります。

また、上海駅から杭州東駅までの距離は196km、上海南駅から杭州駅までは172km、上海南駅から杭州東駅までは165.6kmとなっています。

歴史

滬杭線の歴史は、1906年11月に杭州～楓涇間が着工されたことに始まります。その後、1907年3月には上海（上海南駅）～楓涇間も着工され、1909年5月30日に上海～楓涇間、同年7月28日に杭州～楓涇間が開通し、全線が開業しました。同年8月13日には、上海～杭州間の列車運行が開始されました。

1914年4月に国有化され、中華民国交通部に所属しました。1915年3月には、滬寧線と連絡するための内環線が着工され、1916年12月12日に開通しました。これにより、滬寧線との接続が実現しました。

1920年9月28日には、海寧観潮列車が運行を開始しました。しかし、1932年1月31日には、上海事変の影響で内環線が一時的に運行中止となりましたが、同年6月1日に再開通しました。

1937年4月4日には、上海～杭州間を特急旅客列車が3時間30分で走破しました。しかし、同年8月28日には日中戦争により上海南駅が破壊され、10月15日には杭州駅も焼失しました。1939年4月30日には、華中鉄道に所属することになりました。

1942年3月21日には、杭州駅が再開業しました。1946年3月17日には、西湖号が運行を開始しました。1959年9月30日には、蕭甬線との接続により、上海～寧波間の直通運転が開始されました。1965年8月には、貨物専用支線の南新環線が完成し、内環線は滬新線と改称されました。

1978年8月1日には、杭州～北京間の直通急行列車が運行を開始しました。1986年5月2日に外環線が着工され、同年12月29日に開通しました。1987年12月28日には、旧上海駅（上海北駅）が廃止されました。1988年3月24日には、上海列車事故が発生しました。1991年12月25日には、全線の複線化が完了しました。

重大事故

上海列車事故

1988年3月24日、滬杭線外環線の匡巷駅付近で、滬杭線311列車と208列車が衝突し、311列車に乗車していた多数の日本人修学旅行生が死亡する大惨事となりました。

参照

滬杭旅客専用線
滬杭城際線
* 滬杭磁気浮上式鉄道計画

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