四条隆英

四条隆英：多才な才能を発揮した官僚、政治家、実業家

四条隆英（しじょう たかふさ、旧字体：四條 隆󠄁英、1876年2月26日 - 1936年1月2日）は、日本の商工官僚、政治家、実業家、そして華族という多岐にわたる顔を持つ人物でした。彼は、農商務次官、初代商工次官を歴任し、貴族院男爵議員としても活動しました。旧名は二条支英です。

生い立ちと学歴

四条隆英は、京都府京都市で、華族・二条斉敬の四男として生まれました。その後、男爵・四条隆平の養子となり、家督を相続。1911年8月1日に男爵を襲爵しました。彼は第二高等学校を経て、1904年7月には東京帝国大学法科大学政治学科を卒業。この学歴が、彼の後のキャリアを形成する上で大きな基盤となりました。

官僚としてのキャリア

大学卒業後、四条隆英は農商務省に入省し、山林局書記に任官しました。その後、文官高等試験行政科試験に合格。山林局監督官、山林事務官兼農商務書記官、山林局庶務課長、鉱山監督署事務官、東京鉱山監督署長、農商務書記官兼鉱山局鉱政課長、農商務大臣秘書官兼大臣官房秘書課長、商工局工務課長、臨時博覧会事務局出品課長、工務局長兼臨時産業調査局第三部長、農商務次官、そして初代商工次官と、数々の要職を歴任しました。これらの職務を通して、彼は日本の産業発展に大きく貢献しました。

実業家としての転身

1929年4月、四条隆英は依願免本官となり退官。その後、高橋是清の推薦で安田保善社理事に就任し、安田生命保険社長、帝国製麻社長などを務めました。官僚としての経験を活かし、実業界でもその手腕を発揮しました。

政治家としての活動

1932年5月28日、四条隆英は貴族院議員補欠選挙で男爵議員に選出され、公正会に所属しました。死去するまでその職を務め、政治の世界でも存在感を示しました。また、鉄道会議議員、航空評議会評議員、保善商工教育財団理事長、日本工業倶楽部理事、らい予防協会理事など、様々な分野で活動しました。

栄典と親族

四条隆英は、その功績により1927年4月15日に従三位、1929年5月2日に正三位を叙勲されました。

彼の親族は以下の通りです。

父：二条斉敬（最後の関白）
母：某
養父：四条隆平
妻：駒子（四条隆平の娘）
長女：英子（鷹司熙通公爵の子・松園信淳男爵の妻）
次女：華子（右田毛利家第13代当主・毛利祥久男爵の子・重雄の妻）
三女：芳子（加藤勝三の妻）
四女：輝子（三井南家第9代当主・三井高徳男爵の子・高起の妻）
五女：治子（三条西家第19代当主・三条西公正伯爵の妻）
長男：隆秀（四条家（分家）第3代当主）
六女：光子（大村子爵家当主・泰敏子爵の妻）
次男：隆貞（四条家（分家）第4代当主、兄・隆秀の死後、跡を継ぐ）
七女：倭子（坪谷正二の妻）
八女：富子（森川通誠の妻）


四条隆英は、その生涯を通じて、官僚、政治家、実業家として多岐にわたる分野で活躍し、日本の近代化に大きく貢献しました。彼の功績は、今もなお語り継がれています。

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