国分平野

国分平野の詳細

国分平野は、鹿児島湾の北岸に広がる、東西約6km、南北約7km、面積約15km²の平野です。霧島市の中央部に位置し、市街地の中心を担っています。この平野は、鹿児島湾沿岸において最も広い平野として知られています。

地形と特徴

平野の北側にはシラス台地の急斜面が、東側には敷根安山岩と呼ばれる溶岩が積み重なってできた台地の急斜面が迫っています。平野の西部には天降川が、東部には検校川がそれぞれ南に流れており、これらの河川が平野の形成に深く関わっています。

地質学的背景

約100万年前、この地域は鹿児島市から隼人町にかけて広がる大規模な湾でした。この時代には、凝灰岩や火砕流堆積物からなる海成層（国分層群、けくら層）が広範囲に堆積しました。これらの地層は、当時の地形や地質環境を物語る重要な手がかりとなっています。

歴史

国分平野は、鹿児島湾を中心とする南北に連なる鹿児島地溝、または姶良カルデラと呼ばれる沈降地形に、天降川や検校川などが土砂を堆積させてできた沖積平野です。

平野の西部は、縄文海進の時期に堆積が進み、海抜8〜12mの台地を形成しました。中央部は、もともと標高の低い湿地帯や入り江でしたが、江戸時代初期に天降川の流路が変更されたことで排水され、水田が開かれました。また、南部の海岸沿いには干潟が広がっていましたが、江戸時代中期に堤防が築かれ、東敷塩田という塩田が作られました。この塩田は1954年（昭和29年）以降、水田へと姿を変えました。

1970年代以降、工場進出などにより人口が増加し、宅地化が急速に進みました。これにより、国分平野は農地から市街地へと大きく変化していきました。

関連情報

天降川
肝属平野
姶良平野
都城盆地

参考文献

国分郷土誌編纂委員会編　『国分郷土誌　上巻』　国分市、1997年。
町田洋他編　『日本の地形7　九州・南西諸島』　財団法人東京大学出版会、2001年、ISBN 4-13-064717-2。

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