都城盆地

都城盆地

都城盆地は、宮崎県都城市を中心とした、南北約40キロメートル、東西約15キロメートルの楕円形に広がる盆地です。宮崎県都城市、三股町、高原町、そして鹿児島県曽於市の一部にまたがっています。

地理

盆地の北東部は諸県丘陵、南東部は鰐塚山地、西部は高隈山地と霧島山に囲まれています。盆地内には東岳川、沖水川、庄内川などの河川が流れ、これらは最終的に大淀川に合流し、盆地の北端から流れ出します。内陸性気候のため、昼夜の温度差が大きく、霧が発生しやすいのが特徴です。特に南東部では、温暖な気候と霧の影響から、茶の栽培が盛んに行われています。

地質

都城盆地の地質は、複雑な形成過程を経て現在の形になっています。北西部は、白亜紀に堆積した四万十層群北帯の上に、火山噴出物であるシラスが堆積しています。一方、南東部は、古第三紀に堆積した四万十層群南帯と呼ばれる地層を基盤としており、鰐塚山地から流れ込む河川によって扇状地や河岸段丘が形成されています。盆地の中央部は、都城層と呼ばれる湖底堆積物の地層の上に、シラスやシラスを起源とする段丘堆積物が重なっています。

この盆地が形成された背景には、約200万年前から始まった九州山地と鰐塚山地の分離を引き起こした地殻変動があります。この変動によって、両者の間に湖や入り江が形成され、その後の更新世に周辺地域で頻発した大規模な火山噴火の噴出物によって徐々に埋め立てられていきました。

形成当初、盆地の南側が低かったため、川は南へ流れ志布志湾に注いでいました。しかし、約11万年前の阿多火砕流、または約2万5千年前の入戸火砕流によって南側の標高が上昇し、盆地は一時的に湖となりました。その後、大淀川が湖の北端部を侵食し排水したことで、現在の都城盆地が形成されました。

関連項目

都城都市圏
小林[[盆地]]
加久藤[[盆地]]
田野盆地
飫肥盆地
肝属平野
国分平野
宮崎平野

参考文献

町田洋他編　『日本の地形　7　九州・南西諸島』　東京大学出版会、2001年、ISBN 4-13-064717-2
横山淳一　「宮崎の地理」　『みやざきの自然　創刊号』　坂本守雄、1989年。

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