国史館

国史館について

国史館は、中華民国の歴史研究を専門とする機関であり、総統府の直轄機関として位置づけられています。主な業務は、国史の編纂、歴史資料の整理、史料や文化財の収集・保存、そして総統および副総統に関連する文化財の管理です。

近年では、台湾史を中心とした客観的な歴史研究が主流となっており、歴代総統や重要人物に関するオーラルヒストリーの収集にも積極的に取り組んでいます。これにより、多角的な視点からの歴史解釈と、生きた証言に基づく歴史の記録が重視されています。所在地は新北市新店区に位置しています。

沿革

国史館の歴史は、1912年（民国元年）3月に中華民国臨時政府によって設立された国史院に遡ります。同年10月には国史館と改称され、1914年5月25日に北洋政府によって正式に運営が開始されました。しかし、1917年4月には規模が縮小され、北京大学国史編纂処となりました。その後、1919年8月には国務院の管轄下に移されました。

1927年9月21日には、張作霖によって国史館が再設置されましたが、1928年の張学良による東北易幟によって、その業務は一時中断されることとなりました。1940年、国民政府は国史館の再設置準備に着手し、1947年には南京市で再設置されました。しかし、国共内戦の激化により、中華民国政府が台湾へ移転したことで、館長不在となり、多くの研究員も台湾へ避難しました。このため、国史館の業務は1957年に台北県新店市に再設置されるまでの間、中国国民党中央党史史料編纂委員会によって代行されました。

2002年1月1日には、台湾省政府直属機関であった台湾省文献委員会が国史館に移管され、研究体制が拡充されました。

歴代館長

以下は、国史館の歴代館長の一覧です。

北京政府時代

王闓運：1912年12月11日（未就任）
蔡元培：1917年4月（国史編纂処処長）
涂鳳書：1919年9月（国史編纂処処長）
柯劭忞：1927年9月21日

国民政府時代

張継：1946年12月18日 - 1947年12月15日
戴傳賢：1948年6月5日 - 1949年2月12日（未就任）
居正：1949年4月12日（未就任）

台湾移転後

羅家倫：1957年6月29日 - 1969年2月26日
黄季陸：1968年8月26日 - 1984年6月6日
朱匯森：1984年6月6日 - 1990年9月19日
瞿韶華：1990年9月19日 - 1995年3月16日
潘振球：1995年3月16日 - 2000年4月1日
張炎憲：2000年5月20日 - 2008年5月20日
林満紅：2008年5月20日 - 2010年12月16日
劉寶貴：2010年12月16日 - 2011年1月19日（代理）
呂芳上：2011年1月20日 - 2016年5月19日
吳密察：2016年5月20日 - 現任

関連機関

台湾文献館：国史館に移管された台湾省文献委員会の後身であり、南投県南投市に所在しています。

外部リンク

* 国史館



国史館は、中華民国の歴史を深く理解するための重要な研究拠点として、その役割を果たし続けています。

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