国本剛章

国本剛章（くにもと たけあき）

国本剛章（1962年1月11日 - ）は、日本のゲーム音楽作曲家、ベーシストであり、「キノコ国本剛章」名義でも活動しています。北海道札幌市出身で、愛称の「キノコ」は、若い頃のマッシュルームカットが由来です。

経歴

生い立ちとハドソン楽曲制作時代

北海道札幌市で生まれた国本は、北海道札幌南高等学校、北海道大学工学部を卒業。6歳からピアノを習い始め、中学生の頃からロックや洋楽に興味を持つようになりました。大学時代はバンド活動に明け暮れ、2度の留年を経て大学を除籍となります。

1985年、ヤマハ札幌店でMSX用ミュージックシーケンサーのデモ演奏のアルバイトをしていた際、ハドソンのプログラマー、笹川敏幸に才能を見出され、ゲーム音楽の作曲家としてデビュー。処女作は『チャレンジャー』で、以降ハドソンの多くのゲーム音楽を手がけました。ただし、国本はハドソンの社員ではありません。

1986年、『迷宮組曲 ミロンの大冒険』の作曲中に大学を除籍。1980年代後半、ハドソンの企業規模拡大に伴い、複数の作曲家が同時並行で楽曲を制作する体制となり、国本は仕事への熱意を失っていきます。1988年頃には、『天外魔境 ZIRIA』の作曲に坂本龍一が起用されたことを知り、自身への依頼はもう来ないだろうと感じ、実際にハドソンからの仕事は途絶えました。同年秋、バンドメンバーと共に上京し、音楽活動から一時離れます。

サラリーマン時代

上京後、約20年間サラリーマンとして働きながら、趣味でバンド活動を続けました。1990年には、バンド「星観る人」として『三宅裕司のいかすバンド天国』に出演。同時期にゲームボーイ用ソフトの楽曲制作を依頼されるも、採用には至りませんでした。1990年代以降、ゲームハードの進化により、国本の得意とする少ない音数の音楽は需要が減っていきます。

2000年代半ば、インターネットを通じて、自身の楽曲が子供の頃に聴いていた人々に評価されていることを知ります。2005年、ブログを開設し、情報発信を開始。当初はアクセス数が少なかったものの、ゲーム音楽研究家のhally（田中治久）のサイトで紹介されたことをきっかけに、アクセスが急増。チップチューン愛好家から注目を集めるようになりました。その後、2008年にバンド仲間と「RE:YES」を結成。ファミコン用ソフトの楽曲を生演奏するバンド「コロニー落とし」に参加。2009年には松澤健とのユニット「タケちゃん&健ちゃん」を結成しました。

2010年、「タケちゃん&健ちゃん」のライブでゲーム音楽作曲家の梅本竜と出会い、彼のCD制作を手伝うことになります。梅本から音楽制作ソフト「Logic Pro 9」とMacBook Proを贈られ、作曲を勧められたことがきっかけで、国本は再び音楽制作への意欲を取り戻し、2011年に会社を退職。しかし、梅本は同年8月に病気で亡くなってしまいます。国本はその後も、梅本の楽曲を演奏するなど、追悼活動を続けています。

作曲活動再開後

2012年、初のソロアルバム『ひつじの丘』をリリース。梅本から贈られたMacBook ProとLogic Pro 9で制作されました。同年にはギタリストのテンドウと「オール1ブラザーズ」を結成。2013年からは、歌手・のこいのこのライブサポートメンバーとしても活動しています。

2016年、ゲームソフト形式の音楽アルバム『8BIT MUSIC POWER』に楽曲を提供。1989年以来のゲーム音楽作曲家としての作品発表となり、以降、ゲーム作品への楽曲提供を再開。2017年には「ゲー音部」のメンバー・さば夫と「剛剛ズ」を結成。2020年には古川元亮と「FKS37」を結成。2022年には2枚目のソロアルバム『Baby's breath』をリリース。2023年には、テンドウと菜摘と共に「ピコピコハンマーズ」を結成しました。

人物

幼少期に親しんだクラシック音楽が、後のゲーム音楽に影響を与えています。特にシューベルトの『軍隊行進曲』やビゼーの『アルルの女』は、それぞれ『チャレンジャー』や『忍者ハットリくん』の楽曲に引用されています。影響を受けたベーシストとしてジャコ・パストリアスと岸部一徳、作曲家として大野克夫、冨田勲、冬木透を挙げています。

阪神タイガースのファンであり、新庄剛志のファンであることから、北海道日本ハムファイターズも応援しています。

作風

国本の楽曲は、「長三和音 → 全音上の長三和音 → さらに全音上の長三和音」というコード進行が特徴的です。これは、「ガッチャマン進行」と名付けられ、困難を乗り越える先に明るい未来が待っているというイメージを表現しているといいます。ファミコン時代の楽曲制作では、このコード進行を無意識に使用していましたが、近年は意識的に多用しています。

主な作品

チャレンジャー（1985年）
忍者ハットリくん（1986年）
スターソルジャー（1986年）
迷宮組曲 ミロンの大冒険（1986年）
8BIT MUSIC POWER（2016年）

ディスコグラフィ

ひつじの丘（2012年）
Baby's breath（2022年）

外部リンク

キノコ国本剛章 HP 公式サイト
* キノコ国本剛章 (@kinokowakame) - X（旧Twitter）

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