国道277号

一般国道277号：北海道の東西を結ぶ歴史の道

国道277号は、北海道南東部の檜山郡江差町を起点に、二海郡八雲町に至る全長約60.9kmの一般国道です。日本海と太平洋沿岸を最短距離で結ぶ重要な路線として、古くから地域住民の生活を支え、豊かな自然と歴史に彩られた道程となっています。

険しい山道と改良の歴史

特に、二海郡八雲町内の雲石峠区間は、かつては険しい山道として知られていました。明治44年（1911年）、北海道会議員荒井幸作らの尽力により、雲石街道の開削が始まり、大正9年（1920年）には旧道路法に基づき熊石八雲停車場線として指定されましたが、馬車の通行も困難なほどでした。昭和5年（1930年）から改良工事が進められ、昭和8年（1933年）には自動車の通行が可能となりました。

その後も改良工事が継続され、昭和29年（1954年）には主要地方道八雲熊石線に指定、昭和38年（1963年）には産業開発道路として全面改良工事が行われました。昭和54年（1979年）に全面改良工事が完了し、昭和57年（1982年）4月1日、現在の一般国道277号として指定されました。

当初は檜山郡江差町から檜山郡北檜山町（現・久遠郡せたな町）まで重複し、今金町を経て長万部町国縫へ抜ける路線でしたが、昭和56年（1981年）の政令改正により、北檜山―国縫間は国道230号の一部となり、現在のルートに変更されました。平成3年（1991年）には、八雲町鉛川から八雲町市街地までの旧道が北海道道42号八雲北檜山線に変更されています。平成26年（2014年）には、長年工事が進められていた雲石道路が全線開通しました。

自然と歴史が織りなす風景

国道277号は、変化に富んだ美しい自然の中を走ります。雲石峠の雄大な景観、沿道に点在する温泉、そして歴史を感じさせる旧道など、ドライブを通して様々な魅力を体感できます。見市温泉や八雲温泉など、沿線には温泉地も多く、旅の疲れを癒すにも最適です。

主要な地理情報

起点: 北海道檜山郡江差町（国道227号、国道229号、国道276号との交点）
終点: 北海道二海郡八雲町（国道5号との交点）
重要な経過地: 北海道爾志郡熊石町
総延長: 約60.9km
主な峠: 雲石峠（標高427m）
主なトンネル: 見市トンネル（785m）、雲石トンネル（390m）、ピリカベツトンネル（578m）
重複区間: 国道229号、国道276号（檜山郡江差町～二海郡八雲町熊石鮎川町）
別名: 雲石国道、八熊線

沿線情報

国道277号は、檜山郡江差町から二海郡八雲町まで、複数の自治体を経由します。沿線には、様々な施設や観光スポットがあり、ドライブだけでなく、地域探訪にも最適なルートです。

国道277号は、単なる交通路というだけでなく、北海道の歴史と自然を体感できる、魅力あふれる道路と言えるでしょう。

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