地球型惑星

地球型惑星とは

地球型惑星とは、主に岩石や金属などの難揮発性物質から構成される惑星のことです。岩石惑星や固体惑星とも呼ばれ、太陽系では水星、金星、地球、火星の4つがこれに該当します。これらの惑星が位置する領域は、内太陽系と呼ばれることがあります。地球型惑星は、木星型惑星や天王星型惑星と比較して、質量が小さく密度が大きいという特徴を持っています。

惑星科学の観点からは、月もその性質から地球型惑星の一種として考えられることがあります。しかし、惑星の定義では衛星は明確に除外されているため、一般的に「地球型惑星」という分類で月が言及されることはありません。

太陽系における地球型惑星の形成

太陽系の起源は、宇宙空間に漂う星間雲にあります。星間雲は水素を主成分とし、ヘリウムや微量の重元素を含んでいます。この星間雲が、近傍での超新星爆発などの影響で内部のガスが圧縮され、密度にむらが生じると、密度が高い部分は自己重力で収縮し、周囲のガスを取り込みながら高密度化します。この高密度化した部分で恒星が誕生します。

星間雲はもともとわずかに回転しているため、収縮した部分は中心の原始星の周囲を回転し、遠心力が重力と釣り合った原始[[惑星]]系円盤を形成します。この円盤内で、微量の重元素のうち固体を形成する成分が赤道面に沈積し、微惑星が誕生します。そして、この微惑星が衝突合体を繰り返して成長したものが惑星となるのです。

岩石質や金属質の微惑星が集積してできた惑星は、固体惑星、または地球型惑星と呼ばれます。これらの惑星は、水やメタン、二酸化炭素などの氷が存在できない、恒星に近い領域で形成されます。

系外地球型惑星

地球型惑星は、質量や体積が小さいため、太陽系外で発見するのは非常に困難でした。しかし、観測技術の進歩により、2005年には地球から15光年離れた赤色矮星グリーゼ876において、地球の6～7倍の質量を持つ地球型惑星グリーゼ876dが発見されました。また、同年には、重力レンズを用いた観測により、約2万光年先の距離で地球質量の約5倍の惑星OGLE-2005-BLG-390Lbが発見されました。

その後も、2007年には、地球から20光年離れた赤色矮星グリーゼ581に、それぞれ地球質量の5倍と8倍の惑星グリーゼ581cとグリーゼ581dが発見されました。グリーゼ581cはハビタブルゾーン（生命居住可能領域）内を公転していると考えられていましたが、後に否定的な論文が発表されました。一方で、グリーゼ581dやgがハビタブルゾーン内を公転している可能性が示唆されています。2009年には、地球質量の2倍と見られるグリーゼ581eも見つかっています。

これらの惑星は「スーパーアース（巨大地球型惑星）」と呼ばれ、太陽系の地球型惑星よりも質量が大きいですが、主成分は岩石や氷と考えられています。今後、より低質量の惑星の発見が期待されています。

また、原始[[惑星]]系円盤の内側領域で、地球型惑星の材料となる岩石質微惑星の形成が進んでいるという観測結果や、シミュレーション技術の発展により、多くの恒星に地球型惑星が存在する可能性が高いと考えられています。

2009年には、ヨーロッパ南天天文台がCoRoT-7bという天体が系外地球型惑星である可能性を発表しました。CoRoT-7bは質量だけでなく半径も判明したため、平均密度が計算可能となり、具体的な天体の密度に基づいて地球型惑星である可能性が高いと判断された最初の例となりました。

地球型惑星のタイプ

地球型惑星には2つのタイプがあります。一つは恒星から遠くに形成した惑星で、溶融した表面「マグマオーシャン」が数百万年以内に固化し、初期海洋の形成に成功する「タイプI」です。もう一つは恒星から近くに形成した惑星で、固化に1億年もの長い時間を要し、その間に水のほとんどを失い、初期海洋の形成に失敗する「タイプII」です。

この違いは恒星からの距離によって決まり、太陽系の場合、太陽から地球までの距離である1auに対して0.6-0.8au付近がその境界とされています。地球はタイプI、0.72auの軌道に位置する金星はタイプIIの可能性が高いと考えられています。

今後の展望

地球型惑星の研究は、太陽系外[[惑星]]の発見とともに急速に進んでいます。今後、観測技術の更なる発展により、より多くの地球型惑星が発見され、その多様性や生命の存在可能性について、より深く理解できるようになるでしょう。

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