坂元祐

坂元祐について

坂元祐（さか もとすけ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活動した日本の武将であり、毛利氏の家臣でした。彼は坂氏の一族であり、父は坂広秀と推測されています。彼の初名は坂保良（さか やすよし）です。元祐の人生は波乱に満ちており、忠義や勇敢さをもって、毛利氏のために戦い続けました。

生い立ちと初期の活動

元祐は毛利氏の庶流である坂氏に生まれ、幼いころから父と共に毛利氏に仕えていました。しかし、大永4年（1524年）、坂広秀が毛利元就の異母弟・相合元綱を立ててクーデターを試みるも失敗し、弾圧に遭い誅殺されました。この事件を受けて元祐は、大内氏に仕える安芸の国人・平賀隆宗の元に落ち延びました。

元祐は天文18年（1549年）、平賀隆宗に従い備後の山名理興攻めに参加しました。しかし、戦の最中に平賀が死去するという悲劇がありました。その後、毛利元就によって赦され、再び毛利氏に仕官しました。

毛利氏への忠誠

彼は天文19年（1550年）7月、毛利氏への忠誠を誓う起請文に名を連ね、「坂新五左衛門尉保良」と署名しました。この頃、坂元祐は毛利家臣団の一員としての地位を確立していきました。

戦闘での活躍

天文24年（1555年）4月、元祐は野間隆実が籠もる矢野城の攻撃に参加し、渡辺長と共に先陣を争って勝利しました。また、同年10月1日には厳島の戦いにも出陣し、その優れた働きにより毛利隆元から感状を受け取りました。

厳島の戦いの後、元祐は防長経略が始まるとすぐに周防国に進出し、玖珂郡の山代衆を統率する立場となりました。また、高森城の築城にも従事しました。弘治2年（1556年）には山口に進撃し、長門国への進出を果たしました。このように、元祐は毛利家の勢力拡大に寄与しました。

高まる功績と筑前国支配

元祐は豊前国や筑前国へも出陣し、特に永禄11年（1568年）には豊前松山城を攻略し、翌年には立花山城を制圧しました。これにより、彼は毛利氏の筑前国支配の中核を担う人物となりました。

最後の戦いと死

元祐は多々良浜の戦いに参加していた際、尼子勝久らによる再興軍が出雲国に侵入しました。大友氏の侵攻によって毛利軍は撤退を余儀なくされましたが、元祐は立花山城に籠城を果たしました。しかし、最終的に戸次鑑連の勧告を受けて開城し、毛利軍は丁重に長門国まで送り届けられました。

彼は最終的に毛利輝元にも仕官し、天正3年（1575年）3月22日にその生涯を閉じました。嫡男は若くして死去しており、次男の元克が家督を継いでいます。坂元祐の家系はその後、長州藩大組士として存続し、彼の墓は現在の山口県岩国市美和町の本覚寺にあります。彼の業績は、戦国時代の激動の中での忠義と勇敢さを示すものとして、後世に語り継がれています。

もう一度検索