坊城俊良

坊城俊良（ぼうじょう としなが）

生涯

坊城俊良は、1893年（明治26年）8月15日、東京市において伯爵・坊城俊章の四男として誕生しました。学習院で教育を受け、華族としての教養を身につけました。

1911年（明治44年）2月3日、兄・坊城俊徳の死去に伴い、伯爵を襲爵し、華族としての地位を継承しました。

宮内省に入省し、1902年には侍従職出仕として明治天皇に仕えました。その後、大正天皇に仕えることになりますが、チフスに罹患し休職を余儀なくされました。回復後、1914年9月17日に主猟官に転じ、式部官主猟課長、式部職儀式課長、式部次長などを歴任し、宮内省内で重要な役割を果たしました。

1945年（昭和20年）9月29日、宮内事務官に転任した飛鳥井雅信の後任として掌典次長を兼任しました。同年11月10日、掌典長であった三条公輝の薨去に伴い、掌典長事務取扱を命じられます。その後、賀陽宮恒憲王が掌典長に就任したため、事務取扱を免ぜられ本職に戻りました。同年11月24日、掌典次長の兼任を解かれ、式部次長に専任することになりました。

1946年（昭和21年）3月29日には皇太后宮大夫に就任し、貞明皇后に仕え、1951年12月31日までその職を務めました。退任後は、東京大神宮の宮司、そして伊勢神宮の大宮司を歴任し、神職としても活躍しました。

1966年（昭和41年）5月30日、その生涯を閉じました。

人物

坊城俊良は、宮内官として長年宮中に仕え、天皇や皇族を支えました。その経験から、宮中における儀式や作法に精通し、その知識は著書『宮中五十年』にまとめられています。この著書は、当時の宮廷文化を研究する上で貴重な資料となっています。また、神職としても、東京大神宮や伊勢神宮といった重要な神社でその職務を全うしました。

著作

『宮中五十年』
明徳出版社、1960年、序文：小泉信三
講談社学術文庫、2018年、解説：原武史

親族

妻：坊城朔子（さきこ） - 入江為守長女
長男：坊城俊民 - 国文学者
四男：坊城俊周 - 共同テレビジョン会長
弟：坊城俊賢 - 貴族院男爵議員
妹：壽重子 - 京都帝国大学助教授・井上昇（井上角五郎三男）の妻

栄典

1940年（昭和15年）8月15日 - 紀元二千六百年祝典記念章

参考文献

『人事興信録』下、人事興信所編（14版）、1943年。
『平成新修旧[[華族家系大成]]』下巻、霞会館編、吉川弘文館、1996年。
秦郁彦 編『日本官僚制総合事典1868-2000』（2版）東京大学出版会、2007年。

関連項目

坊城家
堂上家

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