堀田正盛

堀田 正盛（ほった まさもり）

堀田正盛は、江戸時代初期の著名な大名で、老中格や老中、さらには大政参与を務めた重要な政治家です。彼は武蔵川越藩主・信濃松本藩主・下総佐倉藩の初代藩主として知られる堀田家の宗家の初代でもあります。彼の父は堀田正吉であり、母は稲葉正成の娘です。正盛は春日局の義理の孫でもあり、母方の叔父には稲葉正勝がいます。

出自

堀田家の起源は紀氏に遡り、尾張中島郡の国人として斯波氏や織田氏に従属していました。天正10年に発生した本能寺の変以降は豊臣秀吉に臣下として仕官しましたが、堀田家が秀吉の信任を受けていたことを明確に記載されている文献は少なく、詳細には乏しいです。

堀田正貞の庶子である正秀は前田利家の下で従事した一方、惣領の正吉は小早川秀秋に仕官しました。秀秋が改易された慶長7年から、幕府に仕官した慶長10年までの正吉の動向は記録が不明ですが、伯父の堀田道空が秀頼の重臣であったため、堀田家は彼に寄寓していたと考えられています。正吉は、後に幕臣となり700石の旗本となりましたが、大坂の陣では伯父と戦いながら奮戦し、1000石に加増されました。正盛はこの家督を継いだ人物です。

生涯

堀田正盛は、祖母である春日局の長男であり、関係した徳川家光が3代将軍に就任すると、彼の近習に抜擢されました。正盛は酒井重澄と並ぶ寵臣として急速に昇進しました。寛永3年には小姓組の番頭に就任し、当時の旗本の任職としては前例のないものでした。

同年中に相模や常陸を含む5000石の領土を与えられ、加えて上野にも新たに5000石付与されました。寛永10年には松平信綱らとともに六人衆に選ばれ、その後、相模・常陸・甲斐にもそれぞれ5000石ずつ得て、最終的には2万5千石の城主格として地位を確立しました。

続いて、寛永12年に老中に任じられ、武蔵川越藩主となり、初めて城主として認識されました。寛永15年には6万5000石の加増を受けて信濃松本藩に転封されましたが、この時、実務の老中としての役割を奪われ、家光の近くで支佐に専念しました。幕政に深く関与していたため、松本藩の政治にはほとんど関与しませんでした。

その後、正盛は寛永19年に下総佐倉藩に転封され、母方の従弟である稲葉正則の後見にも回りました。しかし、家光の死後の1651年に阿部重次とともに殉死しました。享年は44歳で、辞世の句が残されています。

家族と系譜

正盛の家族は先代と交わりがあり、彼の父は堀田正吉であり、母は稲葉正成の娘です。彼は酒井忠勝の娘と結婚しました。

正盛の子供たちは次の通りです：長男・堀田正信、次男・脇坂安政、三男・堀田正俊、四男・堀田正英、五男・南部勝直。正盛の家系は後世に渡って大名に昇格し、明治維新を迎えました。

墓所

正盛の墓所は東京都品川区の東海寺に所在します。彼の長男である正信は、万治3年に幕政批判を行い改易された後、自刃しました。しかし、後に嫡孫の正休が近江宮川藩主となり、家系は続いていきました。正盛とその家族の歴史は、日本の大名制度や幕府体制における重要な一コマを形作っていました。

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