士部

士部（しぶ）の概要

士部は、漢字を部首に基づいて分類する際の一つのグループです。康熙字典においては214部首の中で33番目に位置づけられ、筆画数は3画の4番目に該当します。士部に分類される漢字は、「士」という字を筆画の一部として含むものです。

士の意味と象形文字

「士」という字は、支配力を持つ士族の男性や、学問に優れた知識人を表しています。この字自体は、鉞（えつ）を形取った象形文字に由来しています。『説文解字』によると、「士」という字は「一」と「十」を組み合わせたものと分析されていますが、実際にはその解釈には誤りが多いです。甲骨文字の形を見ると、真の形状や意味が理解できるため、正確な分析が求められます。

言語における士の意義

「士」は偏旁の意符としても利用され、男性に関連する意味合いを持っています。例えば、「壮」や「壻」などが士部に関連付けられた漢字です。しかしながら、士部に現在属している漢字の大半は、「壬」や「壺」など、士という字と本来的には関連のないもので、楷書の筆画を基にした便宜的な分類によるものです。

現代における士部の分類

近年の中国における簡体字の部首分類法では、士部は土部に統合されています。このように、漢字の部首や分類法は時代と共に変化しており、士部に属する漢字に関しても一つの変革の中にあることが伺えます。

部首の通称と発音

士部は、様々な言語で異なる通称があります。日本語では「さむらい」や「さむらいかんむり」と呼ばれ、韓国語では「선비사부（seonbi sa bu）」つまり「学者の士部」とされています。また、英語圏においては「Radical scholar」と表現されることがあります。

士部に関連する部首字は、もちろん「士」です。この部首に関連するいくつかの単語を見ていくと、広韻では「鉏里切」、止韻、詩韻では「紙韻」や上声が挙げられます。さらに、日本語では「シ（漢音）」や「ジ（呉音）」で発音されるのに対し、中国語ではピンインの「shì」や注音の「ㄕˋ」となります。朝鮮語では知識人を意味する「선비（seonbi）」の音とともに「사（sa）」として知られています。

士部に関連する例字

士部に分類される具体的な漢字例として、「士」、「壬」、「壮」、「壱」、「声」「売」、「壺」、「壽」などがあります。また、壻（婿の本字）も士部に含まれます。これらの漢字は、それぞれ独自の意味や用法を持ちながら、士部という大きな枠組みの中で位置付けられています。

以上のように、士部は漢字における重要な分類の一つであり、その意味や成り立ちを理解することで、漢字の深い文化的意義を知る手助けとなります。

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