大伴武日

大伴武日（おおとものたけひ）

大伴武日（生没年不詳）は、古墳時代の人物で、姓は連です。『日本書紀』などの文献に記録が残されており、孝霊天皇と開化天皇の時代に活躍した豊日命の子とされています。

概要

大伴武日は、『日本書紀』では「大伴武日連」と表記され、他の文献では大伴健日連や健日命とも記されています。『古事記』には記載がありません。大伴氏は古代豪族であり、その遠祖にあたる人物がこの大伴武日です。垂仁天皇の時代には五大夫の一人として数えられ、景行天皇の時代には日本武尊の東征に従ったとされています。

記録

『日本書紀』によると、垂仁天皇25年（西暦297年）には、武渟川別、彦国葺、大鹿島、十千根らとともに「大夫」の一人に選ばれ、天皇から神祇祭祀を司る役目を命じられています。

また、景行天皇40年（西暦351年）には、日本武尊の東征に際して、吉備武彦とともに従者として同行しました。東征中、甲斐の酒折宮において、日本武尊から靭部を授かったという記録が残されています。

『日本三代実録』貞観3年（西暦861年）の記述によると、伴善男の奏上の中で、大伴健日連は景行天皇の時代に日本武尊に従って東国を平定し、その功績によって讃岐国を与えられたとされています。また、その奏上では、子である健持（武以、武持）を始めとする子孫の名前が記されており、その中には、允恭天皇の時代に倭胡連公が讃岐国造に任じられたという記録もあります。

伝承

岩手県陸前高田市には、「武日長者伝承」という伝説が残されています。この伝説によると、武日は日本武尊の東征に従って気仙郡に至り、当地で朝日姫と夕日姫という二人の娘をもうけたとされています。高田町大石には、武日長者の屋敷跡と伝えられる場所が現存しています。

参考文献

直木孝次郎「大伴武日」『国史大辞典』吉川弘文館
「大伴連武日」『日本古代氏族人名辞典 普及版』吉川弘文館、2010年。ISBN 9784642014588。

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