大威徳寺の戦い

大威徳寺の戦い

大威徳寺の戦い（だいいとくじのたたかい）は、1569年（永禄12年）に美濃国の苗木遠山氏と飛騨国の三木氏が、飛騨国益田郡の大威徳寺近辺で繰り広げられた合戦です。この戦いは、別名「威徳寺合戦」とも呼ばれています。

合戦の背景

大威徳寺は、飛騨国益田郡御厩野（現在の岐阜県下呂市）に位置し、美濃国加子母村との国境にありました。寺の境内の一部は美濃国側にも存在していたため、この地は飛騨の三木氏と美濃の苗木遠山氏という二つの勢力が衝突する場所となっていました。

両氏の対立は以前から存在しており、1510年（永正7年）には、遠山景正が所領争いのため飛騨国に侵攻し、三木済継（姉小路済継）との戦いで討ち死にしています。しかし、1532年から1558年（天文・弘治年間）にかけては、遠山氏と三木氏は良好な関係を築いていたようで、岩村遠山氏が三木氏の領地である下呂温泉に湯治に出かけるほどでした。

合戦の勃発

1569年（永禄12年）、美濃国恵那郡苗木城主の遠山直廉は、武田信玄の命を受け、三木自綱の弟である三木次郎右衛門尉を攻めました。この時、大威徳寺は兵火により焼失してしまいます。遠山直廉自身も流れ矢で傷を負い、苗木城に戻ったものの、6月18日にその傷が原因で亡くなりました。

大威徳寺のその後

この戦いで多くの堂塔が焼失し、残った建物も1586年（天正13年）の天正地震で壊滅的な被害を受けました。大威徳寺は、この戦いと地震によって、大きくその姿を変えてしまいました。

諸説

「苗木伝記」ではこの戦いを1545年（天文14年）、「遠山家家譜」では1572年（元亀3年）としており、また1556年（弘治2年）という説も存在します。このように、この戦いに関する記録にはいくつかの異説が見られます。

参考文献

『中津川市史　中巻Ⅰ　 第五編　近世(一)』（中津川市、1988年）p11～p12
『苗木の伝記―苗木記・高森根元記―』（中津川市苗木遠山史料館、2012年）
『新苗木物語―中世苗木の歴史ガイドｰ』（苗木城跡・苗木遠山史料館友の会、 2017年）

関連項目

桜洞城
* 遠山氏

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