大宮神社 (京丹後市)

大宮神社

大宮神社は、京都府京丹後市弥栄町野中に位置する神社です。この神社は、弥栄町内の野中、大谷、中津、田中の各集落の鎮守として、地域の人々に大切にされてきました。

祭神

主祭神は、大宮売神（おおみやのめのかみ）です。配神として、大年神（おおとしのかみ）と御子聖神（みこのかみ）が祀られています。

歴史

大宮神社の創建は正慶元年（1332年）に遡ります。その後、元禄7年（1694年）に再建されました。江戸時代後期に編纂された『丹哥府志』には、野間一郷の氏神として記録されています。

1873年（明治6年）には、近代社格制度により村社に列せられ、1906年（明治39年）には神饌幣帛料供進社に指定されました。1931年（昭和6年）には、創祀600年を記念する式典が挙行され、六百年祭祀行記念碑が建立されました。

境内

境内には、社殿、本殿、狛犬、鳥居などが配置されています。また、「明治三十七八年役紀念碑」も建立されています。

境内末社

• - 八幡神社：祭神は誉田別命。
• - 若宮神社：祭神は若宇迦売神。
• - 宮坂神社：祭神は素戔嗚命。

特色

大宮神社は、かつて野間城の落城後に現在の場所に移されたと伝えられています。明治維新以前は、吉浪家と藤原家が禰宜を務め、小金山神社の神主が兼任していました。明治以降は、禰宜はそのままに、神主は木村家が務めるようになりました。吉浪家は、屋号が城出であり、野間城落城の際に持ち来たり伝わるものとして、具足一足や酒樽などを継承していました。

祭礼

かつて秋の例祭では、野中からビンザサラ踊、大谷から神楽、中津から太刀振が奉納されていました。1935年（昭和10年）の例祭では、京都大学の西田直二郎教授と柴田實教授、京都府史蹟調査委員などが調査を行いました。1963年（昭和38年）の例祭では、早稲田大学の山路興造教授が調査を行い、1972年（昭和47年）の例祭では、名古屋の田中義広が調査を行いました。その後、諸事情により奉納行事は途絶えていた時期もありましたが、近年では復活に向けての取り組みが行われています。

文化財

選択無形文化財

野中の田楽

ビンザサラ役5名、太鼓役4名、笛役1名、小鼓役1名で演じられる田楽です。平安時代から鎌倉時代にかけて田楽法師が演じた田楽の姿を残していると評価されており、ビンザサラを次々に変化させる点が特徴です。1983年（昭和58年）4月15日に京都府指定無形民俗文化財に指定され、2013年（平成25年）3月12日には記録作成等の措置を講ずべき無形文化財（選択無形文化財）に指定されました。

京丹後市指定文化財

野中区宝篋印塔

至徳4年（1386年）の刻銘がある宝篋印塔です。南北朝時代の特徴を顕著に表しており、かつては大宮神社の阿弥陀堂にありましたが、現在は野中地区公民館に保管されています。1974年（昭和49年）7月17日に弥栄町指定文化財に指定されました。

大宮神社神像

大宮神社には、男神坐像、女神坐像、僧形坐像、如来坐像の計4躯の神像・仏像が所蔵されています。2006年（平成18年）3月28日に京丹後市指定文化財に指定されました。

参考文献

• - 大島暁雄 編『近畿の民俗 京都府編』三一書房、1995年。ISBN 4380955532。
• - 弥栄町『弥栄町史』弥栄町、1970年。
• - 野間老人クラブ『ふるさと野間』野間老人クラブ、1983年。
• - 『ふるさと野間 今昔写真集』ふるさと野間を考える会、1984年。
• - 京都府教育委員会『京都の田楽調査報告書』京都府教育委員会、1978年。

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