大成会

大成会（たいせいかい）について

大成会は、明治時代の日本において、1890年から1891年まで活動していた温和派の院内会派です。この団体は、特に第1回衆議院議員総選挙後に非政党系議員が集まる動きの中で結成されました。非民権派の自由党や改進党に対抗するために、党派の壁を越えた協力を図ろうとしたのです。

設立背景と目的

1890年の選挙を経て、立憲自由党と立憲改進党に所属しない議員たちは集まり、党派色の強い民権派系の自由党や改進党に立ち向かう意思を持っていました。しかし、彼らの構想にはさまざまな意見が寄せられており、組織の形態についての議論や、政府との関係についての検討が進められました。結果として、1890年8月22日に会則と「大成会」の名が決定され、次の日には東京の愛宕館で結成大会が開催されました。

この大会では、大成会が衆議院議員の有志によって形成された団体であることが確認され、あくまで政党であることは否定されました。これは、当時の日本において政党の役割を必要としないという超然主義の立場を採る議員たちへの配慮としての意味を持っていました。

メンバーと理念

大成会の代表には増田繁幸、堀部勝四郎、俣野景孝の3名の常務委員が選ばれました。他にも杉浦重剛、元田肇、津田真道、末松謙澄、岡田良一郎、西毅一、天野若円などが参加し、彼らは「不偏不党」及び「中立」を掲げました。

一般的には大成会を「吏党」、すなわち政府与党とみなす見方がありますが、当時の政府が提唱していた超然主義の下では「与党」という概念自体が否定されていました。また、「吏党」という呼称は民党側からの批判の中で生まれたものであり、大成会は「反民党」勢力であるものの、必ずしも「親政府」勢力とは言えませんでした。

とはいえ、大成会の政治的な志向は保守的であり、当時の政府の政策と近い立場をとっていたため、民党が掲げる全面対決よりは政府に対して穏和な姿勢を持っていました。ただし、集会条例や新聞紙条例の緩和といった政治的対立が発生した際には、民党とともに政府に対抗することもありました。

解散とその後

大成会はその役割を果たし、1891年の衆議院解散に伴い、活動を終えることとなりました。大成会の存在は、日本における温和派の院内会派の活動の一端を示すものであり、党派の枠を超えた協力の重要性を再認識させるものでした。

このように、大成会はその短い期間ながらも、当時の政治状況に影響を及ぼし、議会における超然主義の議論を促進させた重要な団体といえます。

参考文献

佐々木隆著『藩閥政府と立憲政治』 (吉川弘文館 1992年 ISBN 4642036326)

関連項目

• - 中央交渉部
• - 国民協会

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