大森ゆかり

大森ゆかり：日本の女性プロレスの先駆者

大森ゆかり（おおもり ゆかり、1961年12月21日生まれ）は、日本の女子プロレス界のレジェンドであり、そのキャリアを通じて数々の栄光を手にした元プロレスラーである。彼女は第74代と第76代のWWWA世界タッグ王者、そして第33代のWWWA世界シングル王者という輝かしいタイトル歴を持ち、特にそのニックネーム「ナツコ」は多くのファンに親しまれた。

幼少期と入門

大森は北海道札幌市で生まれ、幼少期から父の文脈で柔道やわんぱく相撲に親しみを持って育った。1980年、彼女は鏡山親方の後見人のもと、全日本女子プロレスに入門する。そこでの同期には、後に名選手となるクレーン・ユウ、ダンプ松本、長与千種、ライオネス飛鳥がおり、彼女たちと共に「昭和55年組」として知られるようになる。彼女のデビュー当初は、新人王決定トーナメントで準優勝に輝くなど、その才能を早くから発揮していた。このころ、資生堂のCMに出ていた小野みゆきに似ていることから、同じくプロレスラーのジャガー横田に“ナツコ”と呼ばれるようになる。

順調なキャリアとタイトル獲得

1981年、大森はライオネス飛鳥とのタッグを結成する予定だったが、先輩であるミミ萩原の相方に選ばれ、第74代WWWA世界タッグ王者に。1983年にはミミが引退し、ジャンボ堀と共に「ダイナマイト・ギャルズ」として第76代WWWA世界タッグ王者となる。彼女はその後、膝を痛めて低迷期に入るが、手術後には見事に復活。その際にファイトスタイルやコスチュームを変え、山崎照朝から手刀打ちを教わり、「架裟斬りチョップ」を必殺技として身につける。

1986年にはデビル雅美を破り、第33代WWWA世界シングル王者となり、同年のタッグリーグ・ザ・ベストでは準優勝を果たす。彼女のパートナーであった宇野久子も大森の付き人をしていた関係で、二人の絆は深まっていた。

引退とその後の活動

1988年2月28日、大森はライオネス飛鳥とのエキシビションマッチを最後に現役を引退。その後はジャパン女子プロレスのコーチを務める傍ら、テレビ中継の解説やタレント活動に従事。特に、同期のダンプ松本と桃色豚隊（ピンクトントン）を結成し、デュエットシングル「赤いウィンナー逃げた」をリリースした。

引退後も大森は活動を続け、1998年には川崎市体育館で行われたOGマッチに参加。2005年には後楽園ホールでのバトルロイヤルにOGとして参加し、再びファンの前に姿を現す。2008年のダンプ松本自主興行では一夜限りの現役復帰を果たし、同じく復活したJBエンジェルスと対戦する。

プライベート

結婚後は静岡県三島市に移り、精米工場でパートタイムとして働きながら子育てを行った。彼女のエピソードは、2014年7月4日放送のTBS『爆報! THE フライデー』でも紹介され、多くの視聴者に親しまれた。

得意技と影響

大森のレスリングスタイルは多彩で、「雪崩式バックフリップ」や「ラリアット」、さらには「袈裟斬りチョップ」など、様々な技を駆使した。彼女は日本の女子プロレスの先駆者として、多くの後進に影響を与え、今なお多くのファンから尊敬されている。

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