大津大浦

大津 大浦の生涯と業績

大津 大浦（おおつ の おおうら）は、奈良時代に活躍した貴族であり、陰陽家として知られています。彼は従四位上の官位を持ち、陰陽頭をもって多くの影響を及ぼしました。大津氏は摂津国にその根を持ち、大津造や大津連などの異なる名を持つ一族です。この家系名は、難波大津の名に由来し、一部の説では毛野氏に関連すると言われています。

出自と家系

大津氏は、その祖先代々が陰陽道に従事し、和銅7年（714年）には占術を用いて還俗を許された大津意毗登の存在が知られています。彼により、この家系は陰陽家としての道を歩み始めます。大浦もまた、代々の家伝を受け継ぎ、陰陽学を習得することで徐々にその地位を確立していきました。

経歴の中での重要な出来事

大浦は、藤原仲麻呂に重用され、占いを通じて吉兆を見極める役割を果たしていました。特に彼は仲麻呂が反乱を企てていると直感した際、自身の危機を感じ、朝廷にこの情報を密告しました。この行動は後になって大きな功績と見なされました。

天平宝字8年（764年）9月、仲麻呂の乱が発生すると、大浦は正七位上から従四位上へ一気に昇格し、また宿禰姓に改姓することも許可されました。その後、左兵衛佐に任命され、美作守という職務も兼任することになります。

さらに翌年、天平神護元年（765年）には功田を与えられましたが、同年8月に和気王の謀反が発生すると、かつて親しくしていた和気王との関わりから連座し、日向守に転任された上で位や封を剥奪され、再び姓は連に戻されます。また、神護景雲元年（767年）には日向員外介としての職も解任され、所有する書物も没収されるという苦境に立たされました。

復帰と晩年

光仁朝に入ると、宝亀元年（770年）にこれまでの罪が赦され再び京へ戻ります。宝亀2年（771年）には陰陽頭に任命され、さらに宝亀5年（775年）には安芸守も兼任します。しかしその後、宝亀6年（775年）5月17日にこの世を去ります。彼の最終官位は従四位上の陰陽頭兼安芸守でした。

官歴

大津 大浦の官歴は『続日本紀』に記されています。具体的な年は不明の部分もありますが、彼の昇進や職務に関する詳細が刻まれています。特に、天平宝字8年9月の従四位上への昇格や、宝亀2年の陰陽頭への任命は大浦の人生における重要な節目となりました。

参考文献

大津 大浦に関する情報は、以下の文献を基にしました：

• - 宇治谷孟『続日本紀』（中下巻）講談社学術文庫、1995年
• - 太田亮『姓氏家系大辞典』角川書店、1963年

このように、大津 大浦は奈良時代において貴族として、また陰陽家として非常に影響力のある人物でした。彼の生涯は、政治的な陰謀や官位の変遷、さらには自己の能力を高める過程で形成されていったものです。

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