功田

功田（こうでん）についての詳細

概要

功田は古代日本、特に律令制下の時代において設けられた制度で、特に顕著な功績を残した人々に対して与えられた特別な土地を指します。現存する養老令の田令第5条では、功績の大きさに応じて、受給者は大功・上功・中功・下功の四つの等級に分類されます。この中で、大功に格付けされた者はその功田を永久的に世襲できる権利を持ちます。これに対して、上功は三代まで相続可能、中功は二代、そして下功は一代までと、各等級によって相続の範囲が異なることが規定されています。

さらに、大功を受けた者は謀叛を犯さない限りその土地を剥奪されず、他の等級の受給者は八虐という重大な法律違反をしない限り同様に保持できることが定められていました。一般的に公地公民制の下では、土地は個人が死亡すると国に返還されることが原則であり、相続を認める例は非常に限られていました。したがって、大功は例外的に私有が認められ、歴史上では藤原鎌足、恵美押勝、平清盛、源頼朝の四人がこの権利を持っていたとされていますが、後には何らかの理由で土地を失ったケースも見受けられました。

功田の運用と税制

功田に関しては、田租の賦課がなされ、これは他の田地同様に田租が課せられましたが、時代が進むにつれて不輸租田として免除されることが多くなりました。それに伴い、実際には地域の農民などに賃貸され、耕作されるのが一般的であったと考えられています。

支給の実例

功田の具体的な支給事例は『続日本紀』の天平宝字元年の記録からも読み取れます。以下に、その実例を挙げます。

• - 乙巳の変における功績

- 大功：藤原鎌足（100町）
- 上功：佐伯古麻呂（40町6反）

• - 古人大兄皇子の謀反における功績

- 中功：笠志太留（20町）

• - 壬申の乱における功績

- 上功：尾張大隅（40町）
- 中功：村国小依（10町）、文禰麻呂（8町）、丸部君手（8町）、文智徳（4町）、置始菟（5町）、星川麻呂（4町）、坂上熊毛（6町）、黄文大伴（8町）

• - 大宝律令編纂の功績

- 下功：下毛野古麻呂（10町）など

• - 橘奈良麻呂の乱における功績

- 上功：上道斐太都（20町）

• - 遣唐使の功績

- 下功：坂合部石敷（6町）

• - 養老律令撰修の功績

- 下功：大倭長岡、陽胡真身（各4町）、矢集虫麻呂、塩屋吉麻呂（各5町）、百済人成（4町）

その他にも、多くの功田が歴史上記録されており、特に奈良中期の政権を握った恵美押勝（藤原仲麻呂、大功）、天皇即位を阻止した和気清麻呂や平将門を討伐した藤原秀郷、そして平清盛や源頼朝の事例は特に有名です。

関連項目

功田に負けず劣らず、班田収授法もまた重要な制度であり、古代日本における土地制度の理解に欠かせないものとなっています。

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