大炊御門経頼

大炊御門経頼：戦国・江戸初期の公卿

大炊御門経頼（おおいのみかど つねより）は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した公卿です。権大納言・中山孝親の子として生まれ、主に正親町天皇（106代）と後陽成天皇（107代）に仕え、従二位・権大納言にまで昇りました。断絶していた大炊御門家を再興し、17代当主となった人物としても知られています。

大炊御門家の再興

経頼は、大炊御門経名の薨去後、断絶していた大炊御門家を相続し、17代当主となりました。このことは、彼の家柄に対する強い責任感と、家名を再興しようとする強い意志を示しています。

官位と経歴

永禄4年（1561年）に叙爵されて以降、順調に昇進を重ね、天正3年（1575年）には従三位となり公卿に列しました。天正9年（1581年）には従二位・権大納言に任じられ、その官職を天正13年（1585年）まで務めました。その後、天正16年（1588年）に再び権大納言に再任されています。慶長13年（1608年）には、神宮伝奏にも任じられました。

神宮伝奏としての役割

神宮伝奏とは、朝廷から伊勢神宮に派遣される使者のことで、朝廷と伊勢神宮との間の重要なパイプ役を担います。経頼がこの役職に任じられたことは、彼が朝廷から厚い信頼を得ていたことの証左と言えるでしょう。

系譜

父：中山孝親
母：五辻諸仲娘
継室：吉良義康娘
次男：大炊御門経孝
妻：不詳
長男：大炊御門頼国

経頼は、中山孝親を父に持ち、五辻諸仲の娘を母として生まれました。吉良義康の娘を継室に迎え、実子として長男の頼国、次男の経孝がいます。子孫もまた、公家として朝廷に仕え、家名を存続させています。

大炊御門経頼は、激動の時代を生き抜き、大炊御門家の再興に尽力した人物として、歴史に名を残しています。彼の功績は、今日においても高く評価されています。

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