大盛寺

大盛寺

大盛寺は、東京都三鷹市井の頭に位置する天台宗の寺院です。山号を明静山、院号を円光院と称し、本尊には薬師如来を祀っています。特に、都立井の頭恩賜公園内、井の頭池の中にある井の頭弁財天の別当寺（本坊）としても広く知られています。

歴史

大盛寺の詳しい創建時期については不明な点が多いですが、1652年（承応元年）に寺院として建立されたと伝えられています。

井の頭弁財天

井の頭弁財天堂は、『井之頭略縁起』によると、平安時代の天慶年間（938年～947年）に源経基によって創建されたとされています。その後、源頼朝が1197年（建久8年）に再建し、その際に別当となる坊舎が建てられました。1333年（元弘3年）には、新田義貞が鎌倉を攻めた際の兵火により焼失し、一時衰退しましたが、江戸時代に入り3代将軍徳川家光によって再興されました。現在見られる堂宇は、1923年（大正12年）の関東大震災で被害を受けた後、昭和初期に再建されたものです。

縁起によれば、本尊の弁財天像は789年（延暦8年）に平安時代の僧である最澄によって作られたと伝えられています。

甲州街道を高井戸から分け入り、久我山・牟礼村を経て参道に至る道には、「井のかしら弁天道」といった道標が各所に建てられています。特に、参道入り口にある黒い参門の横には、1745年（延享2年）に建立された「神田御用水源井頭弁財天」と刻まれた棹石が立っており、その長さは2.4mにも及びます。

弁天堂の周囲には、以下のような多くの寄進物が見られます。

宇賀神像：池に入水し白蛇になった松原の娘を偲んで作られたと伝えられています（年代不詳）。
狛犬：1771年（明和8年）に寄進されたもの。
鳥居：建立年代は不明。
手水鉢：建立年代は不明。
石橋：1817年（文化14年）に一番組・湯屋講によって寄進されたもの。
石燈篭：1833年（天保4年）に伊勢屋伊兵衛（現在の株式会社にんべん）らによって寄進されたもの。

これらの寄進物から、弁天信仰が非常に盛んであったことが伺えます。

七井不動尊

弁天堂の正面から左手奥に進むと、七井不動尊の小さなお堂があります。

所在地

大盛寺：東京都三鷹市井の頭4-26-1
大盛寺別院（墓地）：東京都三鷹市牟礼2-14-16

別院には、詩人の三木露風の墓があります。

参考文献

「無禮村 大盛寺」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ125多磨郡ノ37、内務省地理局、1884年6月。NDLJP:763995/64。

関連項目

井の頭恩賜公園
神田上水
弁才天
魚鱗癬 - 皮膚に鱗模様の患部が現れる先天性の疾患。

外部リンク

井の頭弁財天

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