大窪一玄

大窪一玄

大窪一玄（おおくぼ いちげん、1929年3月15日 - 2015年3月2日）は、日本の囲碁棋士であり、九段の実力者です。石川県小松市出身で、増淵辰子八段の門下として、日本棋院に所属していました。王座戦での準優勝をはじめ、数々の輝かしい成績を残し、囲碁界にその名を刻みました。

生涯

1929年、石川県小松市に生を受けた大窪は、幼少の頃から囲碁に親しみ、1939年に増淵辰子に入門。翌年には院生となり、囲碁の道を歩み始めます。1944年に初段となり、1946年には若手棋士の研究会「金曜会」に参加し、研鑽を積みました。1948年には大手合秋期2部で優勝、同年には藤沢庫之助を中心とした研究会「黎明会」にも参加し、その才能を開花させていきます。

1949年に五段に昇段。1950年には大手合春期2部でも優勝。1953年には青年棋士選手権戦2部で優勝するなど、着実に実力をつけていきました。1958年には首相杯争奪高段者トーナメントで優勝し、七段に昇段。1963年には十段戦敗者組決勝に進出。1964年には八段に昇段。

1965年には王座戦で決勝に進出しましたが、半田道玄に敗れ準優勝となりました。1967年には、21勝7敗の成績で、棋道賞勝率第1位（.750）、連勝賞（12連勝）を受賞。その実力は広く認められました。

1979年には日中囲碁交流の訪中代表団長を務め、国際交流にも尽力しました。2005年には大倉喜七郎賞を受賞。長年の囲碁界への貢献が評価されました。門下からは、橋本雄二郎、白江治彦、水間俊文、高林拓二、佐藤文俊といった、数多くの優秀な棋士が育っています。

2015年3月2日、肺炎のため逝去。85歳でした。

主な棋歴

青年棋士選手権戦2部 優勝（1953年）
首相杯争奪高段者トーナメント 優勝（1958年）、準優勝（1962年）
王座戦 準優勝（1965年）
大手合2部優勝（1948年、1950年）

著書

『鬼手 : 囲碁上達のコツ』(新囲碁手筋シリーズ ; 第2)文海堂
『シマリの定石』（ゴ・スーパーブックス14）日本棋院

参考文献

坂田栄男『囲碁百年 3 実力主義の時代』平凡社 1969年

外部リンク

日本棋院「大窪一玄」

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