大野盆地

大野盆地

大野盆地は、福井県嶺北地方の東部、大野市の北西に位置する陥没断層によって形成された盆地です。東西、南北ともに約10kmの方形、または不等辺五角形に近い形状をしており、面積は約80km²、海抜は150mから250mとなっています。

地理的特徴

盆地の北と東は加越山地、西は越前中央山地、南は越美山地に囲まれています。盆地内には、九頭竜川、真名川、清滝川、赤根川の四つの河川が並行して北へと流れ、盆地の北端で合流します。これらの河川によって、扇状地や河岸段丘、湿地帯などの多様な地形が形成されています。

盆地北東部の九頭竜川東岸には、塚原野台地が広がっています。ここはかつて経ヶ岳の火山泥流によって形成された国内有数の泥流地形でしたが、第二次世界大戦後の開拓により、その原形はほぼ失われています。現在では、台地の一部にわずかな泥流丘の痕跡が残るのみです。

各河川は氾濫原を形成しており、特に盆地北西部の牛ヶ原は赤根川による湿地帯として知られています。この地域では古くから条里制が敷かれ、水田開発が盛んに行われてきました。

清滝川の扇状地の先端には大野市街が位置しており、かつては「御清水」に代表される豊富な湧水が見られました。しかし、1965年頃から地下水位が低下し始め、工業用や融雪用の地下水汲み上げが原因とされています。対策は取られていますが、問題は依然として解消されていません。

大野市の人口の大部分は大野盆地に集中しており、盆地内では稲作が広く行われています。また、サトイモは盆地の特産品として知られています。

広義の大野盆地

地理学的な観点から、北に隣接する勝山[[盆地]]も一体の地形とみなされることがあります。この場合、勝山市内で九頭竜川が西に流れるあたりまでを含めて大野盆地とすることがあり、混同を避けるために大野勝山[[盆地]]、あるいは奥越盆地と呼ばれることもあります。この見解では、勝山[[盆地]]の西部（志比地溝）は河谷とみなされ、大野盆地は下荒井付近でくびれたひょうたん型の盆地であるとされます。

国土交通省による九頭竜川流域の地形区分では、大野盆地、勝山[[盆地]]、志比地溝を合わせて「大野・勝山[[盆地]]」と称しています。

参考文献

角川日本地名大辞典編纂委員会編『角川日本地名大辞典 18 福井県』角川書店、1989年、ISBN 4-04-001180-5
大野市史編纂委員会『大野市史 第11巻 自然編』大野市役所、2001年

関連項目

* 六呂師高原

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