大阪 - 銚子線
「大阪 - 銚子線」は、大阪府大阪市と千葉県銚子市の間を結んでいた夜行高速バス路線です。京都市や東京都心（秋葉原駅）、千葉県内の主要都市（四街道市、富里市、成田市、香取市）を経由し、運行会社である南海バスと千葉交通が共同で便を設定していました。この路線は、2005年3月18日に運行を開始し、2024年9月1日に廃止されるまで、長距離を結ぶ重要な交通手段の一つとして機能しました。
運行は全便が座席指定制であり、事前の予約が必須でした。乗車券は、運行会社の窓口や主要な旅行会社のほか、インターネット予約サイトの「発車オ〜ライネット」、あるいは主要コンビニエンスストア（ローソン、ファミリーマート、セブン-イレブン）の端末を利用して手配することが可能でした。ただし、千葉交通の公式サイトには、当日空席がある場合に限り予約なしでの乗車が認められる旨の記載も一部見られました。
停車停留所は多岐にわたり、大阪側ではユニバーサル・スタジオ・ジャパン、湊町バスターミナル(OCAT)、南海なんば高速バスターミナル、大阪駅前（桜橋口アルビ前）に停車。京都駅八条口を経由した後、東京都心では秋葉原駅に停車しました。千葉県内に入ると、四街道駅、富里バスターミナル、京成成田駅、成田空港（第2・第1ターミナル）、発酵の里こうざき、佐原駅北口、小見川、東庄を経て、終点の銚子駅に至るルートでした。特に、大阪市内の湊町バスターミナル(OCAT)と南海なんば高速バスターミナルは、大阪行・銚子行のいずれの方向でも、OCATの次に南海なんばに停車する順序が定められていました。
運行経路は高速道路を主体とし、大阪市内から阪神高速道路、第二京阪道路、名神高速道路、新名神高速道路、東名阪自動車道、伊勢湾岸自動車道、東名高速道路、新東名高速道路を経て再び東名高速道路へ。そこから首都高速道路3号線、首都高速湾岸線、東関東自動車道、新空港自動車道を進み、最後に国道356号線を経由して千葉県銚子市へ至るという、非常に広範なルートをカバーしていました。運行中の途中休憩地点は運行会社によって異なり、南海バス便では銚子行が草津PAと発酵の里こうざき、なんば行が港北PAと甲南PAで休憩を取りました。一方、千葉交通便では銚子行が御在所SA、なんば行が鮎沢PAまたは足柄SAで休憩が行われていました。
路線の歴史を振り返ると、運行開始後も経路や停車地の変更が何度か実施されました。2008年には新名神高速道路などを経由するルートに変更され、所要時間が短縮されるとともに、東京の停車地が浜松町から秋葉原駅に変更され、富里バスターミナルへの停車が始まりました。2010年には第二京阪道路経由となり高速京田辺に停車。2012年には大阪駅前にも停車するようになるなど、利用者の利便性向上に向けた改定が続けられました。2016年には大栄バス停が廃止され、発酵の里こうざきに停車地が変更されました。2019年には消費税率引き上げに伴う運賃改定も実施されています。しかし、2020年4月10日からは新型コロナウイルス感染症拡大の影響により運休となり、そのまま運行再開することなく、2024年9月1日付で路線廃止となりました。実質的な最終運行は2020年4月9日出発の便でした。
使用されていた車両は、原則として独立3列シートのハイデッカー車でした。南海バスは日野・セレガを、千葉交通は三菱ふそう・エアロエースを主に使用しており、快適な夜行移動を提供するための設備が整えられていました。
この路線は、鉄道での直通が困難な大阪・京都地域と千葉県東部を結ぶ点でユニークな存在でした。特に千葉県東部にとっては初の夜行高速バス路線であり、地域住民にとって新たな移動手段を提供しました。秋葉原を経由するルートであったことから、東京・京都・大阪間を結ぶ他の夜行バス路線（いわゆる旧ツアーバスからの転換路線を含む）とも競合関係にありました。特に大阪バスの「東京特急ニュースター号」が秋葉原駅経由となった2013年以降は、秋葉原駅と京都・大阪駅間において直接競合する状況でした。
利便性の面では、千葉市周辺からの利用者が神戸・大阪線が満席の場合に、四街道駅まで移動して本路線に乗車するという代替手段としても利用されていました。運賃面でも、かつてはやや高めでしたが値下げにより、神戸・大阪線の同区間よりも安価になるケースもありました。秋葉原駅と大阪市内間では、他の東京23区内発着の同等グレード路線と比較して運賃が大幅に安く設定されており、片道7,200円、往復割引運賃は13,780円でした。また、都心への到着時間が早く、秋葉原には午前5時前に到着していたため、早朝から活動したい利用者にとって有利でした。さらに、関西地区から成田国際空港を利用する際に、午前出発便や夕方到着便の場合でも宿泊の必要がなくなるというメリットもありました。
四街道駅や秋葉原駅といった千葉交通の営業エリア外の停車地でも乗降が可能だった点は、インターネット予約の普及により、物理的な窓口がない場所でも乗車券の予約・購入が可能になった時代の変化を示す事例とも言えます。ただし、発車オ〜ライネットでの予約は便の出発時刻よりもかなり前に締め切られたため、直前の購入はできない制約がありました。このように、大阪 - 銚子線は、長距離を結ぶ夜行バスとして様々な特徴を持ち、多様なニーズに応える路線でしたが、最終的にはコロナ禍による運休からそのまま運行を終了することとなりました。
再開することなく、その歴史に幕を下ろしました。
運行は全便が座席指定制であり、事前の予約が必須でした。乗車券は、運行会社の窓口や主要な旅行会社のほか、インターネット予約サイトの「発車オ〜ライネット」、あるいは主要コンビニエンスストア（ローソン、ファミリーマート、セブン-イレブン）の端末を利用して手配することが可能でした。ただし、千葉交通の公式サイトには、当日空席がある場合に限り予約なしでの乗車が認められる旨の記載も一部見られました。
停車停留所は多岐にわたり、大阪側ではユニバーサル・スタジオ・ジャパン、湊町バスターミナル(OCAT)、南海なんば高速バスターミナル、大阪駅前（桜橋口アルビ前）に停車。京都駅八条口を経由した後、東京都心では秋葉原駅に停車しました。千葉県内に入ると、四街道駅、富里バスターミナル、京成成田駅、成田空港（第2・第1ターミナル）、発酵の里こうざき、佐原駅北口、小見川、東庄を経て、終点の銚子駅に至るルートでした。特に、大阪市内の湊町バスターミナル(OCAT)と南海なんば高速バスターミナルは、大阪行・銚子行のいずれの方向でも、OCATの次に南海なんばに停車する順序が定められていました。
運行経路は高速道路を主体とし、大阪市内から阪神高速道路、第二京阪道路、名神高速道路、新名神高速道路、東名阪自動車道、伊勢湾岸自動車道、東名高速道路、新東名高速道路を経て再び東名高速道路へ。そこから首都高速道路3号線、首都高速湾岸線、東関東自動車道、新空港自動車道を進み、最後に国道356号線を経由して千葉県銚子市へ至るという、非常に広範なルートをカバーしていました。運行中の途中休憩地点は運行会社によって異なり、南海バス便では銚子行が草津PAと発酵の里こうざき、なんば行が港北PAと甲南PAで休憩を取りました。一方、千葉交通便では銚子行が御在所SA、なんば行が鮎沢PAまたは足柄SAで休憩が行われていました。
路線の歴史を振り返ると、運行開始後も経路や停車地の変更が何度か実施されました。2008年には新名神高速道路などを経由するルートに変更され、所要時間が短縮されるとともに、東京の停車地が浜松町から秋葉原駅に変更され、富里バスターミナルへの停車が始まりました。2010年には第二京阪道路経由となり高速京田辺に停車。2012年には大阪駅前にも停車するようになるなど、利用者の利便性向上に向けた改定が続けられました。2016年には大栄バス停が廃止され、発酵の里こうざきに停車地が変更されました。2019年には消費税率引き上げに伴う運賃改定も実施されています。しかし、2020年4月10日からは新型コロナウイルス感染症拡大の影響により運休となり、そのまま運行再開することなく、2024年9月1日付で路線廃止となりました。実質的な最終運行は2020年4月9日出発の便でした。
使用されていた車両は、原則として独立3列シートのハイデッカー車でした。南海バスは日野・セレガを、千葉交通は三菱ふそう・エアロエースを主に使用しており、快適な夜行移動を提供するための設備が整えられていました。
この路線は、鉄道での直通が困難な大阪・京都地域と千葉県東部を結ぶ点でユニークな存在でした。特に千葉県東部にとっては初の夜行高速バス路線であり、地域住民にとって新たな移動手段を提供しました。秋葉原を経由するルートであったことから、東京・京都・大阪間を結ぶ他の夜行バス路線（いわゆる旧ツアーバスからの転換路線を含む）とも競合関係にありました。特に大阪バスの「東京特急ニュースター号」が秋葉原駅経由となった2013年以降は、秋葉原駅と京都・大阪駅間において直接競合する状況でした。
利便性の面では、千葉市周辺からの利用者が神戸・大阪線が満席の場合に、四街道駅まで移動して本路線に乗車するという代替手段としても利用されていました。運賃面でも、かつてはやや高めでしたが値下げにより、神戸・大阪線の同区間よりも安価になるケースもありました。秋葉原駅と大阪市内間では、他の東京23区内発着の同等グレード路線と比較して運賃が大幅に安く設定されており、片道7,200円、往復割引運賃は13,780円でした。また、都心への到着時間が早く、秋葉原には午前5時前に到着していたため、早朝から活動したい利用者にとって有利でした。さらに、関西地区から成田国際空港を利用する際に、午前出発便や夕方到着便の場合でも宿泊の必要がなくなるというメリットもありました。
四街道駅や秋葉原駅といった千葉交通の営業エリア外の停車地でも乗降が可能だった点は、インターネット予約の普及により、物理的な窓口がない場所でも乗車券の予約・購入が可能になった時代の変化を示す事例とも言えます。ただし、発車オ〜ライネットでの予約は便の出発時刻よりもかなり前に締め切られたため、直前の購入はできない制約がありました。このように、大阪 - 銚子線は、長距離を結ぶ夜行バスとして様々な特徴を持ち、多様なニーズに応える路線でしたが、最終的にはコロナ禍による運休からそのまま運行を終了することとなりました。
再開することなく、その歴史に幕を下ろしました。
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