大雄辰實

大雄 辰實（だいゆう たつみ）について

大雄辰實（本名・柳田辰実）は、1940年5月27日生まれで、鹿児島県肝属郡大根占町（現在の錦江町）出身の元大相撲力士です。井筒部屋に所属しており、現役時代の体格は179cm、115kg。彼の最高位は1968年9月場所に達した東前頭筆頭であり、得意技は右四つで寄りです。

来歴

大雄は中学校を卒業後、東京に上京し、井筒部屋に入門しました。1956年5月場所で初めて土俵に上がり、序ノ口に付く際には、故郷の名前を継承した「大根占」という四股名が付けられました。その後、1961年11月に四股名を「大雄」に変更しました。彼はその後、特に相撲の技術においてもろ差しを得意とする力士として知られ、特に大関・清國との相性が良く、対戦成績は4勝1敗を誇っていました。

しかし、立合いでの動きが遅く、スピードを重視する力士には苦戦を強いられました。また、三役への昇進や賞の受賞、金星獲得の機会はなかったものの、彼は幕内で2度の10勝を達成しましたが、敢闘賞は他の力士に持っていかれています。前頭上位の成績でも勝ち越しは2度記録しましたが、三役に昇進するには及びませんでした。

大雄は1972年9月場所を最後に引退するまで、合計43場所で幕内を務めました。

引退後の活動

引退後は年寄・陸奥を名乗り、後に甲山に改名しました。彼は井筒部屋から陸奥部屋にかけて親方として若手の力士たちを指導しましたが、1989年に長男の征宏の入門を受けて陸奥部屋から独立し、新たに甲山部屋を設立しました。この新しい部屋では、江戸葵（龍甲）や甲錦といった将来性のある力士を育てましたが、残念ながら関取を育成することには成功しませんでした。

2002年5月場所後には所属力士がゼロになり、部屋は消滅に至りました。その後、持病の治療を理由に甲山の名跡を元関脇・琴錦に譲渡することを一時考えていましたが、最終的には後援者たちの説得により退職を撤回しました。これは、名跡の流出を防ぐ意図があったとされています。その後、湊部屋に転属し、2005年5月には停年退職を迎えました。

主な成績

通算成績は614勝596敗で、勝率は.507、幕内成績は296勝349敗で勝率は.459でした。現役在位は96場所、幕内在位は43場所という記録があります。

各段優勝

• - 十両優勝：2回（1963年3月、1972年7月）

改名歴

• - 大根占 辰實（おおねじめ たつみ）：1956年9月まで
• - 大雄 辰實（だいゆう -）：1961年11月まで

年寄変遷

• - 陸奥 辰實（みちのく たつみ）：1972年9月-1973年3月
• - 甲山 雅春（かぶとやま まさはる）：1973年3月-2005年5月

大雄辰實はその長いキャリアを通じて活躍し、相撲界に大きな足跡を残した力士として知られています。

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