天保山町 (鹿児島市)

鹿児島市天保山町

鹿児島市天保山町は、市の中心部に位置する歴史と現代が交錯する地域です。この町は、江戸時代後期の天保年間に、甲突川の浚渫によって生じた土砂で埋め立てられた土地が起源となっています。

地理

天保山町は、鹿児島市の中央部、甲突川の河口に位置しています。東側は鹿児島湾（錦江湾）に面しており、北は甲突川を挟んで錦江町、南は与次郎、西は国道225号を境に下荒田に隣接しています。町の北西端には、鹿児島市消防局中央消防署や鹿児島市産業政策課分庁舎が設置されています。

歴史

天保山の成立と薩英戦争

天保山は、その名の通り、天保年間に甲突川の浚渫によって造成されました。この地は、後に薩摩藩によって洋式砲術の訓練場として整備され、砲台や防弾火薬庫が設けられました。1863年（文久3年）には、薩英戦争のきっかけとなる砲撃が、この天保山からイギリス艦隊に対して行われました。

明治初期から天保山町の設置まで

明治時代初期、天保山は鹿児島郡の武村や荒田村の飛地でしたが、1889年の町村制施行により西武田村の一部となりました。その後、1911年にはその一部が鹿児島市に編入され、下荒田町に属することになりました。

天保山町の設置以降

1934年、下荒田町の一部が分割され、天保山町が誕生しました。ただし、一部資料では、1911年の市編入時に町が設置されたともされています。同年の失業救済事業としての護岸工事の完了後、1935年にはNHK鹿児島放送局が開局。また、天保山にあった池沼が埋め立てられ、天保山橋が開通、1967年には天保山大橋も開通しました。
1973年には住居表示の実施に伴い、町域の再編が行われ、下荒田町の一部が天保山町に編入。同時に、町全域で住居表示が実施されました。

第二次世界大戦後、戦災復興事業として土地区画整理が行われ、1981年に完了。1984年には鹿児島市消防局中央消防署が移転し、2006年にはNHK鹿児島放送局が本港新町に移転しました。

文化財

天保山砲台跡

市指定史跡である天保山砲台跡は、薩摩藩が整備した砲台で、薩英戦争でイギリス艦隊への砲撃に使用されました。現在も、その歴史的な痕跡を見ることができます。

人口

1995年以降、国勢調査による人口の推移が記録されています。

施設

公共施設

町内には、鹿児島市消防局中央消防署、鹿児島市産業政策課分庁舎、計量検査所、公益社団法人鹿児島市シルバー人材センター、天保山公園、共月亭などがあります。

寺社

西大宣寺が町内に所在しています。

小・中学校の学区

市立小・中学校の学区は、以下の通りです。

その他

天保山町は、歴史的な背景を持つと同時に、現代的な生活を送るための施設も整った地域です。また、映画007のロケ地になったことでも知られています。

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