天川町 (前橋市)

天川町

群馬県前橋市に属する町名で、「あまがわまち」と読みます。郵便番号は371-0802です。2013年時点の面積は0.27平方キロメートルとなっています。

地理

天川町は、前橋市内を流れる広瀬川の西側に位置し、その支流である端気川が広瀬川から分流して間もない地点にある洪積層上に形成されています。現在の町域は、朝倉町の北端部を挟み込むように、互いに離れた東西二つの区域に分かれています。この特異な形状は、過去の町域の変遷によるものです。かつて天川町は現在よりもはるかに広い範囲を含んでおり、その面積は倍以上ありました。しかし、1966年および1967年に実施された住居表示に伴い、町域の大部分が新しい町名へと変更されました。結果として、朝倉町を東西から挟むような形で残された南部の地域が現在の天川町を構成しています。かつての天川町には、現在前橋市朝日町の南部にあたる区域や、前橋市文京町の大部分が含まれていました。

町内には、河川として広瀬川が流れています。

地名の由来

町名の「天川」という名は、かつてこの地域を流れていた川に由来するとされています。もともとは利根川の流路でしたが、その後の流路変更により広瀬川の流域となりました。古くからこの川を「天の川」と呼び習わし、その両岸に広がっていた集落を「天川」と称したのが始まりと伝わっています。川の右岸側にあった集落が群馬郡天川村となり、後の天川町へと発展しました。一方、川の左岸側には天川大島村が広がり、こちらは現在の前橋市天川大島町となっています。

歴史

天川町の歴史は古く、江戸時代には既に集落が存在していました。前橋城の縄張り整備に関連して、天川村の北端部が「天川新町」として村から分離しました。この天川新町は後に単に「新町」と呼ばれるようになり、住居表示施行後は朝日町の南部地域となりました。また、新町の西隣にあった中川町（現在の三河町東部にあたる）や矢田町（後の高田町、現在の文京町一丁目西部）も、天川村の土地から成立したか、あるいは天川村の住民が移り住んでできた集落と見られています。1876年（明治9年）には、前橋城下の武家地であった群馬郡前橋高台と矢田町が天川村に編入されました。

明治時代に入り、町村制が施行された1889年には、天川村は周辺地域とともに前橋町の一部となります。その後、1892年に前橋町が市制を施行し前橋市となると、天川村は前橋市の大字「天川」となりました。そして、1910年に正式に「前橋市天川町」という町名が成立しました。

昭和に入ると町域の分離が進みます。1934年には、天川町の一部であった高台と矢田町が分離し、前橋市高田町として新たな町となりました。さらに、高度経済成長期以降の都市開発と住居表示の実施は、天川町の町域に大きな変化をもたらしました。1966年には、両毛線より南側の区域が朝日町三丁目および朝日町四丁目の各一部となりました。翌1967年には、市道南部線より北側の区域が文京町二丁目、文京町三丁目、文京町四丁目の各一部に、また市道南部線より南側の一部が天川原町二丁目の一部に変更されました。これにより、かつての広大な町域は大幅に縮小し、現在見られる分断された状態が生じました。その後も町域の調整は続き、1975年には一部が朝倉町四丁目に編入されています。

交通

天川町内には鉄道駅はありません。バス路線としては、町の北側を走る文京町との境界道路に、群馬中央バスの前橋敷島公園－伊勢崎市民病院北口線が運行されています。町内には国道や県道は通っていません。

施設

町内には、住民の交流の場である天川町集会所や、集合住宅である天川団地などが立地しています。

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参考文献

* 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 10 群馬県』角川書店、1988年7月8日。ISBN 4-04-001100-7。

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