奈良原延

奈良原延（ならはら のべる）

奈良原延は、生没年不詳の戦国時代から安土桃山時代にかけての薩摩国島津氏の家臣です。通称は狩野介、受領名は安芸守と称しました。

生涯

奈良原氏は、嵯峨源氏渡辺氏の流れを汲む筒井氏の支流、または藤原氏を称したとも伝えられています。父の奈良原資は、島津宗家の勝久が没落した後、島津忠良に仕えました。延もまた、忠良の子である島津貴久に仕え、その軍事活動を支えました。

天文17年（1548年）、延は本田氏の姫木城攻略において功績を上げ、在番していた北原氏を追い出すことに貢献しました。また、天文19年（1550年）には、貴久が伊集院から鹿児島に入部する際に随行しました。

元亀3年（1572年）5月、肝付氏との戦闘では、弟の奈良原広と共に鎌田政近の指揮下に入り、牛根二川（現在の鹿児島県垂水市）に伏兵として配置され、肝付勢を打ち破る戦果を挙げました。天正元年（1573年）7月には、肝付方の牛根城を攻めるために早崎に陣を敷いていた際、肝付勢の来襲に対しても、伊集院久春と共に足軽を率いて勇敢に戦い、軍功を立てました。

天正4年（1576年）には、飫肥酒谷の地頭に任じられ、その地の統治を担いました。その後も、天正6年（1578年）の耳川の戦いや、天正12年（1584年）の沖田畷の戦いなど、数々の戦に参加し、島津氏のために戦い抜きました。

奈良原延の最期については二つの説があります。『「さつま」歴史人名集』では、天正15年（1587年）4月の根白坂の戦いで討ち死にしたとされています。一方、『本藩人物誌』では、同年同月の新納院高城の籠城戦に参加し、その後、文禄・慶長の役にも参加したものの、没年月日は不明であると記されています。

このように、奈良原延は戦国時代から安土桃山時代にかけて、島津氏の家臣として各地を転戦し、その勢力拡大に大きく貢献した武将でした。彼の活躍は、島津氏の歴史において重要な位置を占めています。

系譜

父：奈良原資
母：不詳
妻：不詳
長男：奈良原敦
次男：奈良原質

参考文献

『本藩人物誌』 鹿児島県史料集（13）（鹿児島県史料刊行委員会）
* 稲葉行雄　『「さつま」歴史人名集』（高城書房出版）ISBN 4-924752-28-2

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