女の階級

『女の階級』は、日本の作家・吉屋信子が著した小説、それを原作として製作された映画、そしてその映画のために作られた主題歌およびシングルレコードを指します。

小説

小説『女の階級』は、1936年4月11日から同年9月19日まで、読売新聞紙上にて連載されました。

映画

映画は1936年に日活多摩川撮影所（現在の角川大映撮影所）で製作・公開された現代劇です。当時、人気絶頂期を迎えていた岡譲二が主演を務めました。

当時の日活は、サイレント映画からサウンド（トーキー）映画への転換期にありました。映画の新たな魅力として音、特に音楽を重視し、テイチク株式会社（現在のテイチクエンタテインメント）との連携を深めていました。現代劇を製作していた多摩川撮影所だけでなく、時代劇の本拠地であった日活京都撮影所でもこの提携は行われ、マキノ正博監督の『弥次㐂夛道中記』（1938年）、『鴛鴦歌合戦』（1939年）、『弥次喜多 名君初上り』（1940年）などが作られました。これらの京都作品には、ディック・ミネや服部富子、美ち奴といったテイチク所属の専属歌手が出演しています。

本作『女の階級』のキャストの一人である星玲子も、同時期には歌も歌えるスターだった杉狂児と組んで、テイチクと提携した日活歌謡映画で活躍しており、『あなたと呼べば』（監督：千葉泰樹、1936年、主題歌はディック・ミネと星玲子が歌唱した『二人は若い』）、『うちの女房にや髭がある』（監督：千葉泰樹、1936年、主題歌は杉狂児と美ち奴が歌唱）といった作品が興行面でもレコードでも成功を収めていました。

映画の主なキャストとスタッフは以下の通りです。

キャスト

美濃部 - 岡譲二
林龍二 - 江川宇礼雄
司馬加壽子 - 星玲子
妹・津勢子 - 美川かつみ
父・豪助 - 高木永二
母・房代 - 東日出子
譲の母 - 清川隆子
佐伯 - 原文雄

スタッフ

監督 - 千葉泰樹
原作 - 吉屋信子
脚色 - 荒巻芳郎
撮影 - 長井信一

レコード

本作のシングルレコードは、両面の盤面に「流行歌」および「日活『女の階級』主題歌」と明記されています。

収録曲

A面：女の階級
作詞：島田磬也（「村瀬まゆみ」名義）
作曲・編曲：古賀政男
歌：楠木繁夫
演奏：古賀政男オーケストラ
B面：回想譜 (加壽子のうたへる)
作詞：今城靖児
作曲・編曲：古賀政男
歌：藤山一郎
演奏：古賀政男オーケストラ

B面に収録された『回想譜』は、劇中で司馬加壽子を演じた星玲子によって歌われた楽曲です。

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