女心の唄

女心の唄

『女心の唄』（おんなごころのうた）は、1964年（昭和39年）12月にリリースされたバーブ佐竹の記念すべきデビューシングルであり、そのA面に収められた楽曲のタイトルです。特に日本音楽著作権協会（JASRAC）には、『女ごころの唄』として正式に登録されています。

この楽曲は200万枚を超える驚異的なセールスを記録し、バーブ佐竹のキャリアにおいて欠かすことのできない代表曲となりました。

楽曲誕生の背景とシングル詳細

本作がキングレコードからバーブ佐竹のデビューシングルとして世に出たのは、1964年の暮れでした。このオリジナル楽曲の制作には、作詞に山北由希夫、作曲に吉田矢健治、そして編曲に白石十四男といった、当時キングレコード専属であった実力派の作家陣が顔を揃えました。

シングルのB面には『白い太陽』が収められており、こちらの作詞は矢野亮が担当しました。作曲と編曲はA面と同じく、吉田矢健治と白石十四男が手がけています。このシングルの品番はBS-136で、当時の定価は330円でした。

このシングルをリリースする以前、バーブ佐竹は北海道の歓楽街で「流し」の歌手として活動していましたが、後に東京へ移り、バーで歌っていました。この『女心の唄』のヒットが、彼のその後の歌手人生を大きく決定づけることになります。

記録的な成功と影響

『女心の唄』は、リリース翌年の1965年（昭和40年）には年間を通しての大ヒットとなり、セールスは200万枚を突破しました。この成功が評価され、同年12月25日に神田共立講堂で行われた第7回日本レコード大賞では、新人賞を受賞しました。この年の新人賞は、和田弘とマヒナスターズと共に『愛して愛して愛しちゃったのよ』を歌った田代美代子と同時受賞でした。

さらに同年12月31日には、東京宝塚劇場で開催された第16回NHK紅白歌合戦への初出場も果たし、この楽曲を披露しました。これはバーブ佐竹にとって、まさに飛躍の年となったことを物語っています。

本作は、その後の多くの歌手にも影響を与えました。1971年（昭和46年）にデビューした原みつるとシャネル・ファイブは、同年に発表したファーストアルバム『稚内ブルース』の中でこの曲をカバーしており、船木謙一が編曲を手がけました。彼らは他にもバーブ佐竹の『ネオン川』などをカバーしています。

また、この楽曲は時代を超えて様々な著名な歌手によって歌い継がれています。これまでに森進一、美空ひばり、田端義夫、鶴岡雅義と東京ロマンチカ、青江三奈、天童よしみ、増位山太志郎、大月みやこ、春日八郎、三橋美智也など、錚々たる顔ぶれがカバーしています。特に美空ひばりによるカバーは、1995年（平成7年）に発売された45枚組CD-BOX『二十世紀の宝物 美空ひばり珠玉集』に収録され、CDとして現在も聴くことができます。

バーブ佐竹自身によるオリジナル音源は、2003年（平成15年）にリリースされた通販専用のCDボックス『歌王 演歌名曲120』に収録されており、オリジナルの歌声に触れることが可能です。

シングル収録曲

このシングルは、バーブ佐竹の輝かしいキャリアの第一歩を記した、日本の歌謡史における重要な作品の一つと言えるでしょう。

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