孫処

孫処（そん しょ）

孫処（359年 - 411年）は、東晋末期の軍人であり、字は季高と称しました。彼の家柄は会稽郡永興県に遡ります。

生涯

若い頃から正義感に厚く、困った人を助けることを厭わない人物でした。劉裕が孫恩の乱を鎮圧するために軍を率いた際、孫処は劉裕の軍に加わり、その指揮下で戦いました。元興3年（404年）、劉裕が桓玄を討伐するために兵を挙げ、建康を占領すると、孫処はその功績により振武将軍に任じられ、新夷県五等侯に封じられました。

義熙5年（409年）、劉裕が南燕の広固を包囲した際には、孫処は先頭に立って敵陣に突入し、その勇敢さで多くの功績を挙げました。彼の奮戦は、味方の士気を大いに高め、勝利に大きく貢献しました。

義熙6年（410年）、北伐から帰還した後、孫処は盧循の乱の鎮圧に奔走しました。彼は石頭に防御柵を築き、越城や査浦を防備し、新亭で盧循の軍勢を打ち破るなど、目覚ましい活躍を見せました。同年11月、劉裕の命を受け、3000の兵を率いて海路から広州の番禺城を奇襲することになりました。盧循は海からの攻撃を全く予想していなかったため、孫処はその隙を突き、さらに濃霧という天候にも恵まれ、たちまちのうちに城を攻略しました。この戦いで、盧循の父である盧嘏や、長史の孫建之、司馬の虞尪夫らは、小舟で始興郡へと逃亡しました。その後、劉裕が派遣した別働隊の沈田子らが、始興郡・南康郡・臨賀郡・始安郡といった嶺表の諸郡を次々と平定しました。

義熙7年（411年）2月、盧循は左里で兵力を再編し、依然として多数の兵力を保持していたため、嶺道から引き返し、広州を再び襲撃しました。孫処は20日以上にわたり奮戦し、盧循の軍を撃退しました。さらに、鬱林郡まで追撃しましたが、その途中で病に倒れ、進軍を止むを得なくなりました。その間に、盧循は交州へと逃げ延びました。同年4月、孫処は晋康で病死しました。享年は53歳でした。

死後、その功績を称えられ、龍驤将軍・南海郡太守の位が追贈され、侯官県侯に追封されました。さらに、義熙9年（413年）には、交州刺史の位が贈られました。

孫処の息子には、孫宗世がいました。

伝記資料

『宋書』巻49 列伝第9
『南史』巻17 列伝第7

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