孫観

孫観（そん かん）

孫観（生没年不詳）は、後漢時代末期の武将で、字は仲台、兗州泰山郡の出身。
兄は孫康で、子に孫毓がいる。『三国志』魏書の臧覇伝に注釈として引用された『魏略』によると、別名として「嬰子」とも呼ばれていた。

正史における事跡

正史における孫観の事跡は、『三国志』魏書の臧覇伝に引用された『魏書』に詳しく記述されている。

臧覇と共に挙兵し、陶謙に従って黄巾賊を討伐した功績により、騎都尉に任命された。その後、呉敦、尹礼と共に臧覇を指導者として仰ぎ、開陽に駐屯した。建安3年（198年）、曹操が呂布を滅ぼすと、以前から曹操に降伏していた臧覇の招きに応じて、兄と共に曹操の配下となった。臧覇が琅邪国相に任命されると、孫観は北海太守、兄は城陽太守に任命されるという厚遇を受けた。

孫観は臧覇と共に徐州・青州の賊討伐に従事し、常に先陣を切って戦い、臧覇に次ぐ功績を挙げたことから、呂都亭侯に任命された。建安10年（205年）春、曹操が南皮の袁譚を攻略した際には、臧覇と共に自身の子弟を人質として鄴に住まわせたことで、偏将軍に任命され、青州刺史に異動となった。濡須口で孫権を討伐した際には、仮節を授けられた。孫権との戦いの最中に流れ矢で左足を負傷したが、果敢に戦い続け、曹操から賞賛と慰労を受けた。この軍功により振威将軍となったが、矢傷が原因で間もなく死去した。

物語中の孫観

小説『三国志演義』では、当初から臧覇の部下ではなく、呉敦、尹礼、昌豨と共に泰山の山賊として描かれている。曹操と呂布の最終決戦では、呂布と同盟を結び蕭関を守備したが、曹操軍に敗北。呂布滅亡後、臧覇の説得を受け曹操に降伏するが、その後は物語に登場しない。

参考文献

『三国志』魏書 臧覇伝
『三国志演義』

脚注

* 『三国志』魏書 臧覇伝の注に引く『魏略』

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