宇和海 (列車)

概要

特急「宇和海」は、JR四国が予讃線・内子線経由で松山駅～宇和島駅間を運行する特急列車です。1990年に臨時列車として登場後、同年11月に定期列車化されました。列車名は、八幡浜市以南で見られる豊後水道の愛媛県側での別名に由来し、一般公募で決定しました。運行区間は愛媛県内に限定されています。

運行概況

2021年3月13日のダイヤ改正で下り1本が廃止され、現在は1日16往復が運行しています。運行間隔はほぼ1時間毎と高頻度で、気動車特急としてはJR四国で「うずしお」に次ぐ本数を誇ります。特急「しおかぜ」「いしづち」と松山駅で同一ホーム接続しており、乗り換えがスムーズです。

停車駅

松山駅 - 伊予市駅 -（伊予中山駅）- 内子駅 - 伊予大洲駅 - 八幡浜駅 - 卯之町駅 - 伊予吉田駅 - 宇和島駅

伊予中山駅には一部列車のみが停車します。また、松山中央公園野球場や愛媛県武道館でのイベント開催時、夏休み期間中には、一部列車が市坪駅に臨時停車することがあります。宇和れんげまつり開催日には伊予石城駅に臨時停車します。

使用車両・編成

松山運転所所属の2000系気動車が使用され、2～5両編成で運転されます。全車普通車で、グリーン車の連結はありません。指定席は通常1号車の運転席寄りに設定されていますが、2024年9月29日の松山駅高架化に伴い、宇和島駅寄りの1号車に変更されました。

過去の使用車両
キハ181系気動車 (1990年11月 - 1993年3月)
キハ185系気動車 (1990年11月 - 1993年3月)
2000系気動車TSE編成 (2018年3月17日まで)

臨時列車

「うわじま牛鬼まつり」開催時には、臨時特急「牛鬼号」が宇和島駅始発で1本運転されます。2000系2両編成が使用され、全席自由席です。停車駅は「宇和海」と同一です。

利用状況

予讃線の伊予市駅～宇和島駅間は非電化のため、宇和島方面と松山以東との移動には、松山駅での乗り換えが必要です。松山駅では「しおかぜ」「いしづち」と対面乗り換えが可能です。特急料金は、松山駅で乗り換える場合、改札を出なければ通しで計算されます。

沿革

1990年夏：臨時特急列車として運転開始。
1990年11月：特急「しおかぜ」の一部列車と急行「うわじま」を統合し、定期列車化。
1993年3月：2000系気動車を投入し、増発。
2001年10月：アンパンマン列車が登場。
2011年3月：エル特急の呼称廃止、一部列車を「いしづち」に変更。
2016年3月：全列車の指定席連結位置を松山方面に変更。サイクルルームを新設。
2018年3月：TSEの定期運行が終了。
2021年3月：下り33号が廃止。
2024年9月：松山駅高架化に伴い、指定席位置を変更、最終列車が伊予中山駅に停車。
* 2025年3月：八幡浜駅～宇和島駅間でワンマン運転化。


「宇和海」は、四国南西部の主要都市を結び、地域輸送を支える重要な役割を担っています。アンパンマン列車としても親しまれており、観光客にも人気があります。2000系気動車の活躍とともに、これからも愛媛県内を走り続けます。

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