安宅 (徳島市)

概要

安宅（あたけ）は、徳島県徳島市の町名で、現行行政地名として一丁目から三丁目までが存在します。2022年4月時点での人口は1,830人、世帯数は907世帯です。郵便番号は〒770-0863。

地理

徳島市中心部の東に位置し、渭東地区に属しています。ただし、安宅3丁目の一部は沖洲地区に含まれます。この地域は吉野川デルタの南部に位置し、新町川、福島川、住吉島川、沖洲川に囲まれた中州の北東部にあたります。東西に細長く、西から一丁目、二丁目、三丁目の順に配置されています。

北側は住吉島川に架かる橋を通じて城東町と、東側は沖洲川に架かる橋を介して北沖洲と接続しています。主要道路として、徳島県道38号沖ノ洲徳島本町線が東西に、市道が南北に走っています。

特に一丁目は、徳島藩の阿波水軍の本拠地であり、木工業の発祥地として知られています。現在も多くの工場が残っています。

河川

住吉島川
沖洲川

歴史

安宅は、寛永期（1624年～1645年）に阿波水軍が移された土地であり、その中心には安宅御役所が置かれていました。御役所の西側には、水軍の将兵が住む御水師屋敷がありました。安宅は、町役人から独立した高い自治権を持っていました。しかし、安宅御役所は廃藩置県時に廃止され、取り壊されました。

現在の町名となったのは1966年で、それまで存在した安宅町の一部と末広町の一部が統合されました。

また、安宅は作家、海野十三（1897年～1949年）の出身地としても有名で、彼の作品には安宅の地名がしばしば登場します。福島との境界にある渭東公民館・渭東コミュニティセンターの県道沿いには、海野十三の文学碑が設置されています。この文学碑は、元々徳島中央公園にあったものが、公園の改修工事に伴い、この地に移設されました。

地名の由来

安宅という地名は、紀伊国牟婁郡安宅をルーツとする安宅水軍の一族が、戦国時代に三好氏に仕え、大型軍船の安宅船を操っていたことに由来します。当初、水軍の根拠地は現在よりも北西の大岡川右岸（現在の南常三島町2～3丁目）にありましたが、寛永年間に現在の安宅を含む城東中学校周辺に移されました。

交通

道路:
徳島県道29号徳島環状線
徳島県道38号沖ノ洲徳島本町線
バス:
徳島市営バス

バス停

安宅一丁目
安宅二丁目
城東中学前

主要施設

徳島市城東中学校
徳島安宅郵便局
セブン-イレブン 徳島安宅店
フレッシュフーズおおしま安宅店
ローソン 徳島安宅三丁目店
ファミリーマート 徳島安宅二丁目店
阿波銀行 福島支店
四国銀行 渭東支店
住友内科病院
若槻クリニック
河野内科循環器科
たけひさ医院
島歯科医院

参考文献

『角川日本地名大辞典 36 徳島県』（1986年 ISBN 4040013603）
河野幸夫『徳島 城と町まちの歴史』1982年 聚海書院

外部リンク

徳島市ホームページ

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