安田修 (実業家)

安田修

安田修（やすだ おさむ、1947年 - 没年不明）は、日本の実業家であり、かつて存在した新興産業株式会社の代表取締役社長、そして馬主として知られています。彼の足跡は、競馬界に大きな影響を与えました。

経歴

奈良県出身の安田修は、1973年に外壁材や屋根材の販売を手掛ける新興産業を創業しました。1976年には株式会社として法人化し、代表取締役社長に就任しました。新興産業は後に倒産しましたが、安田はその後も馬主として活動しました。

2023年、安田修が既に死去していたことが明らかになりました。没年齢は不詳です。

馬主としての活動

安田修は、日本中央競馬会（JRA）および地方競馬全国協会（NAR）に登録された馬主としても知られています。勝負服の柄は黒色で、冠名には自身の経営していた会社名にちなんで「シンコウ」を用いていました。また、馬選びのアドバイザーとして鬼塚義臣を起用していました。

当初は大井競馬場で競走馬を所有し、最初の所有馬であるシナノカオリは14戦7勝の成績を収めました。その後、JRAの調教師である藤沢和雄や国枝栄との出会いを経て、1990年頃に中央競馬の馬主資格を取得しました。

1997年には、沙流郡門別町に生産牧場「シンコーファーム」（冠名は「シンコウ」ではなく「シンコー」）を開設し、オーナーブリーダーとしても活動を開始しました。2001年には、代表生産馬であるレディパステルが優駿牝馬（オークス）に優勝しました。翌2002年には新興産業から独立して株式会社化し、生産専門のマーケットブリーダーとしてフミノイマージンなどの活躍馬を輩出しましたが、後に解散しました。また、タイキブリザードの一口馬主でもありました。

主な所有馬

数々の名馬を所有し、競馬界にその名を刻みました。以下に主な所有馬を挙げます。

シンコウラブリイ：1993年マイルチャンピオンシップなどGI級競走を含む重賞6勝を挙げました。
シンコウキング：1997年高松宮杯を制しました。
シンコウウインディ：1997年フェブラリーステークスを制しました。
シンコウフォレスト：1998年高松宮記念を制しました。
シンコウアンクレー: 1991年中山大障害・春を制しました。
シンコウスプレンダ: 2000年エルムステークスを制しました。

その他にも、クエストフォベスト、シンコウエドワード、シンコウカリド、シンコウシングラーなど、数々の個性的な競走馬を所有しました。

シンコウシングラー事件

所有馬の一頭であるシンコウシングラーは、「シンコウシングラー事件」として競馬史にその名を残しています。

馬主業からの撤退、そして

2001年、新興産業の経営難からシンコウカリドなどの所有馬を他者に譲渡し、馬主業から一度は撤退しました。しかし、2023年12月28日に行われた田中勝春騎手の引退式において、田中騎手が安田修の服色をあしらった特殊なデザインの勝負服で登場し、その功績を称えました。

安田修は、その経営手腕と競馬への情熱で、競馬界に大きな足跡を残した人物として記憶されています。

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