安芸亀山駅

安芸亀山駅

安芸亀山駅（あきかめやまえき）は、かつて広島県広島市安佐北区可部町勝木に存在した、西日本旅客鉄道（JR西日本）可部線の鉄道駅です。可部線の可部駅から三段峡駅に至る非電化区間の廃止に伴い、2003年（平成15年）12月1日をもって営業を終了し、その歴史に幕を閉じました。廃止から年月を経て、2017年（平成29年）3月4日には可部線の一部区間が電化の上で復活・延伸され、新たに「あき亀山駅」が開業しましたが、この新しい駅は同じ亀山地区内にあるものの、旧安芸亀山駅とは直線距離で約3.4キロメートルほど可部駅寄りの、異なる地点に設置されています。

歴史

この駅は、1936年（昭和11年）10月13日に国鉄可部線の可部駅と安芸飯室駅の間が開通した際に、旅客駅として開業しました。駅名に旧国名である「安芸」を冠したのは、駅が開業した時点で既に三重県と兵庫県に同名の「亀山駅」が存在していたため、区別を明確にするためでした。

特定都区市内制度に関しては、広島市にこの制度が導入された1972年（昭和47年）9月1日の時点では、「広島市内」の駅として扱われませんでした。しかし、翌年の1973年（昭和48年）5月1日には制度の適用範囲が見直され、「広島市内」の駅に組み入れられました。

国鉄の分割民営化により、1987年（昭和62年）4月1日からは西日本旅客鉄道（JR西日本）にその運営が継承されました。その後、利用者の減少などにより可部線非電化区間の廃止が決定され、2003年（平成15年）12月1日をもって安芸亀山駅も廃駅となりました。

駅構造

安芸亀山駅は地上駅で、一方向にのみ線路が敷かれた単式ホームを一面備えるのみのシンプルな構造でした。駅舎は設けられておらず、駅員も配置されない無人駅でした。ホームの上に雨風をしのぐための待合所が設置されており、その待合所の裏側、道路に面した位置には「安芸亀山駅」と書かれた看板が掲げられ、これが駅であることの目印となっていました。

利用状況

安芸亀山駅の利用状況に関するデータは、広島市統計書や広島市勢要覧といった公式資料に基づいて集計されていました。これらの資料によると、各年度の1日平均乗車人員が算出されており、その数値は、年間の総乗車数と総降車数が同数であると仮定し、その年度の総乗降客数を365日（または閏年の場合は366日）で割って1日あたりの平均乗降客数を求め、さらにそれを2で割ることで、1日あたりの平均乗車人員として小数点以下第2位を四捨五入し、小数点以下第1位までの値として示されていました。

駅周辺

駅の南側には広島県道267号宇津可部線が通っており、そのさらに南側には太田川が流れています。駅のほど近くには共栄橋があり、この橋は広島県道268号勝木安古市線の一部となっており、橋を渡ることで太田川の対岸、広島市安佐北区安佐町宮野地区へアクセスすることができました。県道268号を南へ進むと、広島市安佐動物公園がある広島市安佐北区安佐町方面に至ります。公共交通機関としては、広島交通のバス停留所「共栄橋北」が駅周辺に位置していました。

現状

2003年の廃止以降、安芸亀山駅の敷地は完全に姿を変えました。線路やホーム、そして待合所などの駅関連施設はすべて撤去され、駅が存在した頃の痕跡は現在では見られません。駅跡地の一部は、拡幅された広島県道267号宇津可部線の一部として利用されています。

隣の駅

（廃止時点）
西日本旅客鉄道（JR西日本）可部線
今井田駅 - 安芸亀山駅 - 毛木駅

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